『聖闘士星矢』『リングにかけろ』『風魔の小次郎』車田正美作品“あるある”ネタ「巨漢と言えば……」の画像
※画像は『聖闘士星矢』第1巻(集英社)より
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 昭和から平成の初頭にかけ、『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて『リングにかけろ』『風魔の小次郎』『聖闘士星矢』等を大ヒットさせた作者といえば、言わずと知れた漢・車田正美氏です。その人気ぶりは諸兄の皆様はもちろんのこと、女子からも絶大な支持を集め、「ジャンプ黄金期にこの人あり」とうたわれた大作家です。

 それぞれの漫画家には、画風やセリフ回しの特長や癖のようなものがありますが、車田氏の癖はかなり独特です。そうした車田氏ならではの個性的な部分は、ファンの間で“車田あるある”とも呼ばれ、こよなく愛されてきました。

 そんな代表的な“車田あるある”の1つに「巨漢=かませ犬」という法則が存在します。

 もはやファンの間では語り尽くされた感もありますが、定期的に語りたくなるのもまた真理。現在の最新作『聖闘士星矢 NEXT DIMENSION 冥王神話』(週刊少年チャンピオン/秋田書店)や、『風魔の小次郎 序の巻』(チャンピオンRED/秋田書店)あたりで車田作品に触れた若いファンのためにも、あらためて車田作品の「巨漢=かませ犬」の印象が生まれた流れをひもといていきたいと思います。

■初期で印象的な『リングにかけろ』の巨漢キャラ

 車田作品にたびたび登場する巨漢キャラを見れば、賢明な車田ファンの読者なら「あ、こいつは速攻やられるな」と確信するのではないでしょうか。初期の車田作品に登場した巨漢といえば、『リングにかけろ』に登場した“モンスター・ジェイル”というキャラクターがいます。

 ボクシング世界大会の前哨戦として行われた日米対抗戦。アメリカJr.チームの先鋒として登場したモンスター・ジェイルは、日本Jr.の香取石松と激突します。このジェイルの身長は、小柄な石松(153センチ)の倍くらいはありそうな大きさで描かれ、体重も200キロ超えは確実な超巨漢でした。

 しかもこのジェイル、なんと15人を殺害している死刑囚という触れ込みで登場しますが、彼は一応石松と同じ中学生のはずです……。

 この一戦で、ジェイルは圧倒的なパワーで石松をKO寸前まで追い込みますが、結果は起死回生の一撃を放った石松が逆転KO勝ち! それでもジェイルは常識外の怪物ぶりを見せつけたため、この時点では“かませ犬”というより、最小キャラだった石松を際立たせるための巨漢設定という印象でしたね。

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