■起承転結の美しさ
このゲームは主人公・ジャスティンの物語です。本作の面白さと主人公の感情移入のしやすさは、ゲーム史にも残るほどだと思っています。
それだけ魅力的なキャラクターであり、本作の起承転結を知る上でも非常に重要なファクターになってきます。
先ほど述べたあらすじは「起」の序盤ですね。
「承」の部分で世界の果てや謎について迫っていくのですが、このゲームのミソは「転」以降だと思います。
少年の好奇心が世界の謎とリンクし冒険に出る、そして少年の前に突きつけられる真実とそれを迎え撃つ様々な思惑、とこのゲームは前半と後半で色合いがグラデーションのように自然と変化していきます。
この部分がいわば「転」ですね。ネタバレになってしまうのでこれ以上は言えませんが、ここのすごさを少しでもお伝えできたらと思います。
本作のストーリーは長編漫画・アニメでも絶対に名作だったであろうと思うほど世界観が練られ、キャラクターたちも魅力的で、言い忘れていましたが声優陣も非常に豪華です。
しかし、僕は後半のジャスティンの姿を見て「ゲームで良かったんだな」と感じました。
アニメや漫画で見る物語も素晴らしいですが、自分の手で切り開いていく感覚はやはりゲームのほうが感じやすいですし、それがジャスティンの感情と立場が変わっていく様子とリンクして、ラスボスまでとの対戦時はもう胸が熱くなります。
この起承転結までの感情の動きが非常に美しく、クリア後にエピローグを見る頃には思わずスタンディングオベーションしていることでしょう。
あなたはクリアまでに何度、涙を流すでしょうか。
僕はいろんな人に話しかけまくり、割と広めな各ダンジョンの探索もかなりぐるぐる回っていたのでクリアまでに70時間弱かかりましたが、普通にプレイすればおそらく50時間ほどでクリアできるかと思います。
これをボリュームが大きいと感じるかは人それぞれかと思いますが、「この敵、強すぎんだろ!」と投げ出してしまうような鬼難易度でもないため、僕は最後までだれることなくプレイできました。
これから先も永久に心に残り続けるであろうRPGに出会えることを考えれば、そんなに長くはないかなと思います。
また今回発売された『グランディア HDコレクション』には『グランディアII』も収録されています。とってもお得ですね。
もし遊ぶ環境が整っているのでしたら、プレイして間違いない名作だと思います。
4月から始まる新生活に向けたドキドキとワクワクをより一層、盛り上げてくれるそんな作品ですよ。