■若手の中で世代交代の波をはねのけ続ける竹内康博

 そんな実力派ぞろいの皆さまを若手と言わざるをえない要因のひとつとして、その若手の中にベテランが1人いるからなんです。そうです。3月8日で51歳の誕生日を迎える、竹内ヤスこと竹内康博さんです。次々と世代交代が進む中で不動。戦隊ヒーローを演じ続けています。この世代交代の波が押し寄せる中、それをはねのけるほどの存在なんですね。

 竹内さんは長年、脇を固める役から主役までさまざまな役を演じてきました。『ドラえもん』でいうと、ジャイアンから、スネ夫、のび太、そしてドラえもんとすべてを演じられるみたいなことですね。しかも動ける。僕がプロデューサーだったら、そりゃあ5人のうちの1人には絶対入れたいですね。

 3月8日からスタートする『魔進戦隊キラメイジャー』で竹内さんはキラメイブルーを担当。彼のアクションは剣術。どちらかというとジャッキー・チェン的な拳や蹴りを用いたアクションのイメージが強かった竹内さんが、ここにきての王道の時代殺陣とは何だか新鮮でワクワクします。

 2009年の『侍戦隊シンケンジャー』で時代殺陣はやっていたのですが、竹内さんが演じたシンケングリーンはトリッキーな動きをするキャラクター。今回はそれとは違った剣術を見せてくれそうです。コレはお笑い芸人で言うと、ギャグのイメージの人が、いきなり中川家さんみたいな王道しゃべくり漫才をやった、みたいなものでしょう。ビックリしますでしょう? しかも上手い。こんなに面白いことはないですよね。普通は、王道をやってやってやり尽くしたら、それが前フリになって変わり種が効いてくるもんです。けど竹内さんは逆。ここにきて王道。我々を飽きさせません。

 リュウソウブラックでは「静」の中での表現だったので、ある意味竹内さんの持ち味を殺した役かなと心配しましたが、そんなものは杞憂に終わりました。あんなに動きの少ない“名乗り”でも、寡黙で色気が存分に出ていて、竹内さんまだまだ引出し隠してるなと。

 今回のキラメイブルーでまた新たな引出しを開けて僕らを楽しませてくれるに違いない竹内さん。ブルース・リーのカッコいいクールなアクションが絶対だと思っていた時代に、コミカルで、かつカッコよく人を楽しませるアクションを見せたジャッキー・チェンは当時の子どもたちに衝撃を与えました。僕、竹内さんもそれに似てると思うんです。竹内さんのアクションって目を引くんです。変な言い方ですが、あの竹内さんというカタマリが動くだけで目がそっちにいっちゃう。何かしてくれるんじゃないか!? ってワクワクしちゃんうんです。竹内さんにはそんな存在感があります。子どもも同じだと思いますよ。きっと、それが子どもの心をつかむ理由かなと思います。まぁ大人の心も、あの太っっとい腕でわしづかみですけどね。

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