■30代は『ジャンプ』黄金期を代表するあの作品を支持

 30代といえば、リアルタイムでヤンキー漫画を読んできた世代でもある。138名が回答した今回のアンケートではさまざまなタイトルが挙がった。

 第3位(11.5%)は、藤沢とおる氏の『GTO』(講談社)。02年まで『週刊少年マガジン』で連載され、暴走族の元リーダーである鬼塚英吉が高校教師となり、校内のさまざまな問題に真っ向から立ち向かう物語。98年には反町隆史(46)主演でドラマ化されて大ヒットした。ちなみに本作の主人公の鬼塚は『湘南純愛組!』というヤンキー漫画の主人公でもあり、本作はその続編。前述のように、今年2月から寛一郎主演でドラマ化。この『湘南純愛組!』は、30代の第4位にランクインとなった。

『GTO』を挙げた人からは「不良少年たちを更生させていくのが面白い」(34歳・男性)、「元ヤンキーの教師という設定」(32歳・男性)といった意見があり、破天荒な主人公の鬼塚を支持する声が多かった。

 第2位(15%)は、西森博之氏の『今日から俺は!!』(小学館)。30代は連載漫画をダイレクトに読んでいた層でもあり、最近のドラマ化も後押しして10~20代に続いて高い人気を得た。

「シリアスになったり、面白かったりのギャップが激しいところ」(35歳・男性)、「ギャグがおもしろい」(32歳・男性)、「三橋と伊藤が協力して強敵と戦うところ」(36歳・男性)といった理由が挙がっており、ヤンキー漫画にしては珍しくギャグ要素が強めな部分と、シリアスパートとのギャップが好評だったようだ。

 第1位(16.5%)は、森田まさのり氏の『ろくでなしBLUES』(集英社)。『ROOKIES』でもおなじみの森田氏によるヤンキー漫画で、97年まで『週刊少年ジャンプ』で連載された。腕っぷしの強さで1年生にして帝拳高校の番長格にまで上り詰めた前田太尊が主人公。強さをひけらかすタイプの番長ではなく、仲間を守るために他校の強敵とバトルを繰り広げていく。アニメ化や実写映画化もされており、映画版の前田太尊役は、元キックボクサーの前田憲作(51)が演じた。

「王道のバトルものだが、キャラが濃くて好き」(39歳・男性)、「喧嘩しながらでも、友情が生まれるストーリーが好き」(38歳・男性)、「人間ドラマとして面白い」(37歳・男性)などが理由として挙がっており、ヤンキー漫画の王道とも呼べるストーリーが支持されていた。

 その他の回答では、梅澤春人氏のジャンプ漫画『BOY』、田中宏氏の『BAD BOYS』、安童夕馬氏・朝基まさし氏による『サイコメトラーEIJI』、佐木飛朗斗氏・所十三氏による『疾風(かぜ)伝説 特攻(ぶっこみ)の拓』などが挙がった。

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