■「ゲーム作りは、人生をかけたリアルなゲーム」

 1994年にゲーム業界に足を踏み入れて25年。さまざまなゲームの開発に携わってきましたが、今、最終決定権のある立場でゲームが作れているのは最高に幸せです。自分の思い通りのゲームが作れるわけですからね。もともとゲームファンの僕ですが、実は最近、まったく遊べていません。それは、他の方々が作ったゲームをプレイする時間を、自分のゲーム作りにあててしまっているからなんです(笑)。

 ゲームの開発は、「完成」という大きな目標に向かって、足りないモノを一つひとつクリアしていくという作業。それ自体にゲームみたいな楽しさがありますが、仕事は仕事なので、コケたら全部自分の生活に跳ね返ってくる。開発にはお金が必要ですし、家族だって養わなければいけない。責任はけっして小さくありません。

 でも、いろいろな苦労はあったとしても、「楽しければいい」と思っているんです。好きなゲームに携われているんですから、これまで後悔はまったくない。僕にとってのゲーム作りは、いわば人生をかけたリアルなゲームなのかもしれませんね(笑)。

関純治/せき・じゅんじ
1973年、千葉県生まれ。専門学校卒業後、テレビゲーム製作に携わる。2012年、ハッピーミール株式会社を設立し、社長に就任。2019年1月、Nintendo Switch用ソフト『伊勢志摩ミステリー案内~偽りの黒真珠』をリリース。スマッシュヒットとなる。12月7日、第2弾タイトル『秋田・男鹿ミステリー案内 凍える銀鈴花』の2020年初夏発売を発表。ゲームクリエイターとして活躍する一方、「名前の書かれたファミコンカセット」をコレクションする『名前入りカセット博物館』館長という顔も持つ。

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