■好みはドロドロ系。今のオススメ漫画は『サターンリターン』

――『地獄少女』は小学生のときに愛読されていたということですが、普段、漫画はお読みになられますか?

 昔はけっこう雑誌や単行本を買って読んでいたんですよ。『地獄少女』は『なかよし』連載中から読んでいて、『ちゃお』(小学館)や『りぼん』(集英社)も全部読んでいる子どもだったので、その頃の私に「将来、閻魔あいになるんだよ」って、教えてあげたいですね(笑)。今でも漫画はたくさん読みますけど、最近ではpixivやウェブコミックサイトで読むことが多いです。

――今、お勧めの漫画は?

 まだ1巻しか出ていないんですが、鳥飼茜さんの『サターンリターン』(小学館)がすごく面白いです。鳥飼さんの漫画は、とにかく登場人物の感情部分に引き込まれていきますね。漫画や小説をプライベートで読むとなると、自分の感情からあまりかけ離れないもののほうが読みやすくて好きかもしれないです。

 逆にすごいキラキラな主人公だったりすると、読んでいて「ふう……」ってなってしまうんですよ。あまりに自分と共通点がなさすぎて……(苦笑)。鳥飼さんの他には、岡崎京子さん、魚喃キリコさんの作品はずっと読んでいます。

――岡崎京子さんといえば名作ばかりですが、好きな作品は?

 やっぱり『pink』(マガジンハウス)ですね。あれこそ登場人物の感情に引き込まれていく漫画です。あとは映画化もされた『ヘルタースケルター』(祥伝社)も。『チワワちゃん』(KADOKAWA)は映画キャスティングのお話をいただいてから読んだ作品ですね。家には他にもいろいろな作品が並んでいます。

――『サターンリターン』もですが、ドロドロした感情が描かれている作品というか、そういう漫画がお好きなんですか?

 そうですね。ドロドロ系、好きだと思います(笑)。でも、人って意外にドロドロしているところを生きているじゃないですか! 人の気持ちや感情って何がきっかけで変わるか分からないし、簡単には語れない部分に引きつけられたりするんです。

――『地獄少女』もまさにそういう作品で、今回の映画版ではそこも強調されていますね。

『地獄少女』は当然フィクションで、一般的に見たら普通ではない世界ですが、その世界の中で生きる閻魔あいたちにとっては日常なんですよね。私は彼女たちを信じてあげて、フェイクでないキャラクターとして命を灯してあげたい。それはどの作品でも課題になっていることです。

 生きづらさみたいなのを抱えた人って、今の社会でも普通にいるじゃないですか。多かれ少なかれ、ほとんどの人がそうかもしれません。そういう生きづらさの中を生きる感情を、私が演じる閻魔あいとうまくリンクして描くことができたのなら、改めて『地獄少女』を実写化した意味があると思っています。

ヘアメイク: 今井貴子
スタイリスト:丸山佑香(まきうらオフィス)

■タイトル:『地獄少女』 
■公開表記:11月15日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
■配給クレジット:ギャガ
■コピーライト:(C)地獄少女プロジェクト/2019映画『地獄少女』製作委員会

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