その後の大ヒット作の原点となった作品も…『週刊少年サンデー』惜しくも短期終了となった人気作家の名作『一番湯のカナタ』『ロケットプリンセス』などの画像
安西信行氏の『R・PRINCESS』1巻(小学館/少年サンデーコミックス)

 数々の人気漫画を生み出している『週刊少年サンデー』(小学館)。広く知られる長期連載となった大作がある一方で、独特の設定や個性的な登場人物を持ちながら、短期間で終了してしまった作品も存在する。

 そのなかには、のちのヒット作に先立つ初期連載作品もあれば、すでに人気を確立した作家が別のテーマで挑んだ作品もある。連載期間は短くても、登場人物の軽妙なかけあいや、切れ味鋭いギャグを交えたアクションなど、作者の持ち味を楽しめる場面も少なくない。

 そこで今回は、1990年代から2000年代初頭の『週刊少年サンデー』で連載され、惜しくも短期終了となった人気漫画家による3作品を紹介したい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。

■主人公は金と女性に弱い新米刑事!『甘く危険なナンパ刑事』

 ひとつ目は、『今日から俺は!!』『天使な小生意気』などで知られる西森博之さんの『甘く危険なナンパ刑事』。1990年に『週刊少年サンデー』で連載された、刑事が主人公のギャグ漫画だ。

 主人公の相沢光司は、千葉北西警察署に配属された新米刑事。長身で見た目はよいものの、金と女性に目がなく、好みの相手を見つけると勤務中であってもナンパを始めてしまう。刑事になった動機からして「女性にモテたいから」という、職務に忠実とは言い難い男である。

 自分をカッコよく見せることにこだわる相沢は、警察から支給される拳銃が気に入らず、密輸で手に入れた44オートマグを愛用する。先輩刑事の前で得意げに発砲するなど、赴任早々からハチャメチャな行動を見せ、犯罪捜査だけでは済まない騒動を起こしていく。

 しかし、相沢は女好きで無責任なだけの主人公ではない。同僚の女性刑事・小林麻子が悪徳外交官に傷つけられた際は、上層部から捜査を止められても引き下がらず、単独で大使館へと乗り込む。仲間のため、危険な相手に立ち向かう熱い展開も描かれ、ふだんは周囲を振り回す男が、仲間のために戦う姿勢は、代表作『今日から俺は!!』の三橋を思わせる。

 本作は全25話で連載を終え、コミックは全2巻で刊行された。なお、その単行本に収録されなかった2話は、のちに『今日から俺は!!』第38巻に収められている。同作を最後まで読んだ人なら、巻末に登場した相沢を覚えているかもしれない。

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