『機動戦士ガンダム』『機動戦士Zガンダム』に登場したキャラクターのカツ。一年戦争時は7歳(※8歳という資料もある)の子どもで、レツやキッカらとホワイトベースに乗り込んで、愛らしい姿を見せていた。
そして一年戦争後は、結婚したハヤト・コバヤシとフラウ・ボゥの養子となり、カツ・コバヤシに。『Zガンダム』のなかでは15歳の少年に成長したカツの姿が描かれた。
そしてグリプス戦役でのカツは、エゥーゴ陣営のパイロットの1人として、カミーユ・ビダンらとともに戦場に出る。しかし、モビルスーツの操縦経験もあったカツは、少々腕に自信があったためか、時折生意気な面を見せる。軍の規律を破ったり、無断で出撃したりと自分勝手な行動をとることも多かった。
最後は戦闘中によそ見をして隕石に衝突し、事故死するという悲劇的な最期を遂げたが、若さゆえの過ちが目立った少年だけに、実際に視聴者からは批判的な声も多かった。
ある意味、『Zガンダム』での嫌われキャラとなってしまったカツだが、宇宙世紀作品の主要キャラの1人ということもあって、『スーパーロボット大戦』シリーズにもたびたび登場している。
ところが多くの『スパロボ』作品では、能力的にも活躍を期待できるパイロットではなかった。それを象徴するように『スパロボF』の攻略本では、「役立たずもいいところ」と酷評されるなど、メイン戦力として育成したプレイヤーはそれほど多くはなかったはずだ。
しかし中には、そのカツが輝きを見せた『スパロボ』シリーズも存在する。そこで今回は、あのカツ・コバヤシが作中で存在感を示した、奇跡の『スパロボ』作品を振り返っていこう。
※本記事には『スーパーロボット大戦』シリーズの一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが主目的ではありませんが、気になる方はご注意ください。
■隠しキャラ並みのインパクトがあった『第3次スパロボ』での活躍
カツにとって記念すべき『スパロボ』シリーズ初参戦作品が、『第3次スーパーロボット大戦』だ。とはいえ、攻略情報なしで純粋に『第3次スパロボ』を楽しんだプレイヤーの多くは、おそらくカツには出会えていないだろう。
なぜならカツを味方にするには、厳しすぎる条件をクリアする必要もあったからだ。それは、「クワトロ・バジーナ(シャア)を仲間にしてはいけない」というもの。クワトロは、アムロと並ぶニュータイプの強キャラクターなので、彼を仲間にしないとゲーム全体の難易度が上がる。
そのシャアを捨てて、カツが仲間になるルートを選んだ場合、彼はアニメでもおなじみのGディフェンサーに乗って登場するのだ。
特段ストーリーに絡んでくることはないが、カツは使いようによってはかなり活躍が期待できた。「2回行動」「補給」「幸運」などを習得するため、メタスに乗せて修理コマンドを連発していればレベルもガンガン上がる。
これで『第3次スパロボ』のカツを育てると、アニメのイメージとはまったく異なるが、支援用のキャラとしてかなり重宝するのだ。
■あのカツが『スパロボZ』でまさかの主役のような扱い…!?
2008年にPlayStation2用ソフトとして発売された『スーパーロボット大戦Z』。この作品では、あの悪名高きカツが、まるで主役のような扱いを受ける場面が含まれていた。その第34話「偽りの女王、仮面の姫」は、カツのために用意されたエピソードといっても過言ではない。
ラクス・クラインの偽物・ニーアが、ラクスの名前を騙ってライブを開いているのを見て、「僕、ファンになっちゃったよ!」とピュアな一面を披露するカツ。その直後、サラ・ザビアロフと出会い、どこか大人びたミステリアスな雰囲気を放つ彼女にも魅了されるシーンが描かれる。
その後の戦闘では、マラサイに乗ったサラの気配を感じ取るなど、ニュータイプの素養も見せていた。そして、このステージでカツとサラを交戦させることで、のちにサラが味方になるフラグが立つのだ。
このほかにも隠し機体であるディジェの入手条件にカツの撃墜数が絡んでくるなど、いろんな意味で『スパロボZ』の鍵を握るキャラクターだったのである。
ちなみにラスボスと戦う際には、「お前で最後だ! この戦いを終わらせる!」という専用ボイスまで存在。まるでカツが主人公であるかのような、これまでにない優遇ぶりだった。


