日本の映画界では、漫画やアニメを実写化した作品を目にする機会が多くなった。日本を代表するカルチャーの1つである漫画やアニメの世界で描かれる魅力的なキャラクターたちを、実在の俳優が演じる姿は、時に原作ファンを唸らせることもある。
それは、演じる俳優たちが原作へのリスペクトを持ち、体当たりで撮影に臨んだ結果なのかもしれない。普段の端正な姿からは想像できないような、体を張った演技で撮影に臨む彼らの全力の演技は、実写化作品の見どころとなり、名シーンとして脚光を浴びることも少なくない。
そこで今回は、イケメン俳優たちが見せた、“体張りすぎ”なシーンを厳選してご紹介しよう。
(第2回/全4回)
※本記事には作品の内容を含みます
■傍若無人な荒くれ者を熱演!『珍遊記』山田太郎役:松山ケンイチ
漫☆画太郎さんの漫画『珍遊記ー太郎とゆかいな仲間たちー』は、『西遊記』をパロディしたギャグ漫画だ。主人公の山田太郎は町一番の“かぶき者”で、凶暴な性格に加えて妖力も使うことができ、放屁で空を飛んだり、酒を飲んで口から火を吐いたりとやりたい放題の日々を送っていた。
太郎に手を焼いたおじいさんとおばあさんから話を聞いた僧侶・玄じょうは、太郎と戦って妖力を封じることに成功し、以降は彼をお供として天竺を目指す旅に出るという物語である。
2016年に松山ケンイチさんを主演に迎え、『珍遊記』として実写映画化された本作。松山さんは、スキンヘッドで頭頂部に一房だけ髪を残した奇抜なヘアスタイルと、一糸まとわぬ姿でスクリーンに登場した。
玄じょうに付けられた頭の“緊箍児(金の輪)”を締め上げられると、あられもない姿でのたうち回る松山さん。泡を吹いて失神した彼の臀部が画面いっぱいに映し出されるなど、体当たりすぎる演技が光っている。
映画『デスノート』(2006年公開)で孤高の探偵・Lを演じて脚光を浴び、ブレイクした松山さんは、2008年公開の映画『デトロイト・メタル・シティ』では自身の殻を破る怪演を見せ、幅広い役に順応する演技力の高さを示していた。
そんな松山さんが、ほとんど何もまとわずに町を闊歩し、虎柄の下着を身につけて放屁する本作は、彼の出演作の中でも異彩を放つ作品だった。敵に向かって放屁した後、自分の臀部を抑え「あっ……実、出ちゃったかな」とニヒルな笑みを浮かべる姿は、Lを演じていた同一人物とは信じ難いほどだ。
本作を手がけた山口雄大監督から、「男らしい体はダメで、腹がポコッと出ているくらいの体形にして」と指示されたとインタビューで語った松山さん。太郎のキャラクターに合わせて全身の体毛もツルツルに剃って撮影に挑んだという。
一糸まとわぬ姿で演技することに当初は抵抗があったと語るが、“あまり気にしないようにしていました。自分からやっているんじゃない、仕事でやってんだよって(笑)”と言い聞かせながら演じていたといい、最終的には前張りのみでスタジオ外まで出てしまえるほど慣れていったそうだ。
さまざまなキャラクターがまるで憑依しているかのように演じ分ける松山さんの出演作の中でも、群を抜いて“怪演”となった『珍遊記』。傍若無人で荒くれ者でありながら、玄じょうとの間に芽生える絆にほっこりさせられる本作は、松山さんだけでなく、玄じょう役の倉科カナさん、龍翔役の溝端淳平さんなど、その他豪華キャストの体を張った演技にも注目したい作品である。


