■「コロッケさんのやっていることに追いつけない」と言われます(笑)
――94年からスタートした『ものまねバトル』(日本テレビ系)には、どういった経緯で出演することになったんですか?
コロッケ 知り合いを通して、「日テレでものまね番組をやりませんか?」という話があって。迷わず参加することを決めました。
――コロッケさんから「こんな番組にしたい」と意見を出すことはありましたか?
コロッケ タレントが構成に口出しをするといい結果を生まないので、基本的にお任せして。こちらからの要望は「コロッケの出番を作ってほしい」、それだけでした。僕はフジテレビと同じことはしないようにしたんです。森進一さんをやるなら恐竜を足して、美川憲一さんをやるなら「あ~ん」と言ってマイクを舐めてみたり(笑)。最初はスタッフに理解しされませんでしたね。「『ジュラシックパーク』に森さんが出てくるんですよ」と言っても呆然とされるだけで(笑)。
――ロボットも『ものまねバトル』から。
コロッケ そうですね。1分しか時間をもらえなかった『ものまね王座』だとロボットはできなかったので、尺がある『ものまねバトル』ならできました。ロボットは1秒のなかに3つ動きを入れているんです。
――音ハメにこだわっているそうですが。
コロッケ 映画だと映像に音をハメていくけど、僕の場合は音に動きをハメていく。ただリズムに合わせているだけだと、観ている人に驚きがないから、リズムのないところにも動きを入れてます。そうすると映画のワンシーンのように見えるんです。ダンサーの子たちに「コロッケさんのやっていることに追いつけない」と言われます(笑)。さらに、人間がやるロボット、CGのロボット、人間が作ったロボット、と進化させていきました。
――時代に合わせてロボットものまねも変わっていくんですね。
コロッケ そうしないと古い芸人だと思われてしまいますから。
――『ものまねバトル』ではやりたいことができる気持ちよさはありましたか?
コロッケ フジテレビと対抗しなきゃいけないわけだから、責任感のほうが大きかったです。向こうは四天王の3組がいるわけで、視聴者から「コロッケは四天王にいなきゃダメなんだ」と思われたくないし、「日テレにいって、めちゃくちゃ変なことをやり出した」と驚きを与えたい。コロッケの価値を上げるために、いろんなことに挑戦しました。
――ロボットや恐竜だけじゃなく、GACKTやBTSといった新しいものまねも取り入れます。
コロッケ 言い方は難しいけど、すごくないのに古株だから褒められることが嫌で。そんなお世辞みたいな言葉は一切ほしくないんです。だから、常にアップデートしたくて。そういった意味で、研ナオコさんが『ものまね王座』から『ものまねバトル』の司会になったときはうれしかったです。変わったことをすると、ナオコさんが「バカがきたよ」と落としつつ、最後に「でも、私は好き」とフォローしてくれましたから。
――コロッケさんが研ナオコさんを誘ったんですか?
コロッケ いや、そんなことはなくて。何があったかは知りませんが、ナオコさんが「日テレのほうがいい」と思ったみたいで。日テレは大喜びですよ。
――『ものまねバトル』が『ものまね王座』を視聴率で抜いたこともあります。
コロッケ うれしかったですね。「コロッケ、まだいけてるじゃん」の証明になりましたから。
【コロッケ編第3回につづく】
【プロフィール】
大貫真之介(おおぬき・しんのすけ)
ライター、編集者。TV局ADや編集プロダクション勤務を経てフリー。アイドルやお笑い、プロレス、80年代文化など多岐にわたるジャンルで多くの雑誌に寄稿。主な著作に『私がグループアイドルだった時』(双葉社)などがある。
【プロフィール】
コロッケ
1960年3月13日生まれ、熊本県出身。80年、『お笑いスター誕生』でデビュー。85年、『ものまね王座決定戦』で注目を集め、以降、ものまね四天王の一人として活躍。14年『文化庁長官表彰』、16年『第16回日本芸能大賞』など受賞多数。


