■キーワードは「核融合」?

 もうひとつ、シンシーを語る上で外せないキーワードが「核融合」だ。

 ハンはなぜかすでに解体されたテロ組織「テント」にこだわっているが、その理由として挙げられるのが、莫大なエネルギーを生み出す技術「核融合」の持続化に初めて成功したとされる研究者「エリシャ・ママドフ」の存在である。

 エリシャは自身の技術がどこか一国に独占され世界のパワーバランスが崩れることを恐れ、姿をくらませた。当然ながら各国の情報機関が彼を探し回ったが、調査の過程で研究の成功はデマだったという可能性が浮上。エリシャが自殺してしまったこともあり、この件は片が付いたかに思われた。

 しかし実は彼は情報ブローカーに捕らえられており、ハンに研究についての情報を渡すよう迫られ続けている。どうやら何らかの交換条件を出しているらしく、その詳細は不明。だが、ハンは「中央アジアで暗躍しているテロ集団」――つまりテントのことを調べ回っているとのことだった。つまり、テントは、シンシーの活動に大きな影響をおよぼす存在であるのは間違いない。

 野崎がシンシーに潜入したのも、謎に包まれたシンシーの情報を暴くのはもちろん、この「核融合」を中国に独占させないためという狙いもある。シンシーの今後を占う上で、エリシャおよび彼の研究・核融合、そして「テント」は重大なキーワードとなるだろう。

 一方、シンシーによる別班員の拉致・拷問に関しては、別班が中国系の工作員や情報員を数多く殺害してきたという情報や、ハンが「散々やられてるの」と苦々しげに吐き捨てる描写から、長年の因縁が大きな理由のようだ。拷問の過程でテントの情報が手に入ればラッキーと思っている面もあるだろうが、主な目的は別班について吐かせて組織ごと潰すことだと思われる。

 野崎は別班員ならどんな拷問にも耐えられると判断し、自分がシンシーに潜入するための足掛かりとしてハンに彼らを差し出した。助けが来ないまま心身ともに追い詰められていっている5人だが、果たしてこの先も耐えることができるのか。今後もシンシーと別班の攻防から目が離せない。

 

 死亡したはずのリュウの登場、「核融合」という新たな重大情報の浮上、潜入捜査を行う野崎に迫る危機……など、内容が盛りだくさんだった第16話。次回からもまたハラハラドキドキの展開が続きそうだ。

 

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