■「日常」と「死」が隣り合わせの血まみれ百合アニメ『きみが死ぬまで恋をしたい』

 最後に紹介するのは、あおのなち氏の同名漫画を原作とする『きみが死ぬまで恋をしたい』。原作漫画は2018年に一迅社の『コミック百合姫』で連載が始まり、現在は同社のWebマンガサイト『一迅プラス』などで掲載されている。

 同作は孤児に魔法を教えて戦争の兵器として育てる学校を舞台に、14歳のトツキ・シーナをはじめとした少女たちの日常や恋愛を描いたダークファンタジーである。タイトルから受ける印象や、少女たちが楽しそうに花畑で戯れているキービジュアルから、平和な百合作品をイメージしたかもしれない。

 しかし、そのような淡い幻想は第1話「キス」の冒頭シーンでいきなり覆される。森の中で深手を負い、瀕死の状態で敵に追い詰められる少女という、絶望感あふれるシーンから始まったのである。

 また直後の授業シーンでは、クラスから死者が出たことが淡々と告げられ、その凄惨な世界観に驚かされる。SNSでも「百合アニメだと思ったら戦争ものだった」「かなり重めな作品だなぁ…」「絶望的過ぎる」など、予想外の幕開けに大きな反響が寄せられた。

 その後、戦場で圧倒的な強さを見せ、血まみれで帰還した少女のカガリ・ミミが登場したことで衝撃に拍車をかける。一方、無邪気な彼女との出会いによって、シーナの心に少しずつ変化が生まれる。

 可愛らしいビジュアルと残酷な世界観のギャップは強烈だが、少女たちの濃密な触れ合いなど、百合作品ファンにもうれしい尊い場面も多く描かれている。今後シーナにどんな運命が待ち受けているのか、百合と戦争モノをミックスした異色ストーリーの顛末を見届けたい。

 

 今回紹介した作品はいずれも、キャラクターデザインやキービジュアルだけでは展開が予想できなかった作品ばかり。今後の物語が非常に気になるアニメ作品である。

 

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きみが死ぬまで恋をしたい(1) (百合姫コミックス)
きみが死ぬまで恋をしたい(1) (百合姫コミックス)

 

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