■ラブコメと怪獣パニックが融合『乙女怪獣キャラメリゼ』
次に紹介するのは、蒼木スピカ氏の同名漫画が原作の『乙女怪獣キャラメリゼ』。引っ込み思案で無口な女子高生・赤石黒絵が、クラスメイトの人気者・南新汰に恋をするラブストーリーだ。
序盤では、黒絵が階段の踊り場で南新汰と急接近したり、彼の一言で顔を赤らめたりと、ラブコメ特有の王道展開が描かれた。また黒絵は、感情が高ぶると体が怪獣のように変化する特殊な病に侵されている。しかし、背中から少しだけトサカのようなものが生えたり、手が怪獣のようになる描写がある程度で、あくまで可愛い少女の姿は保ち続けていた。
この時点で多くの視聴者は「小さな怪獣少女が頑張るハートフルコメディ」を想像したかもしれないが、第1話の後半パートでその予想は見事に裏切られる。
南新汰への恋心がマックスまで高まった黒絵は、街を見下ろすほどの巨大怪獣・ハルゴンへと変身してしまうのである。身長110メートルの巨体に鋭い爪、炎のような角を生やし、その姿に黒絵の面影はない。自衛隊の戦闘機がミサイル攻撃を開始するなど、一気に緊迫した空気に包まれる。
あまりにも大胆すぎる展開に、SNSでは「思ったよりも怪獣すぎて驚き」「怪獣が怪獣すぎるw」「どうなるんやこれ」といった声が上がるなど、想像以上のインパクトを与えたようだ。
第2話では怪獣マニアのクセ強キャラが登場したり、真っすぐに思いを伝えてくれた南のことを思い、またも黒絵が怪獣に変身してしまうなど、息つく間もない展開が続く。そんな特異体質と付き合いながら、黒絵がどのように恋愛と向き合っていくのか注目したい。
■現代的なタイトルかと思いきや……能を描く本格歴史アニメ『ワールド イズ ダンシング』
続いての作品は、三原和人氏の同名漫画を原作とする『ワールド イズ ダンシング』。タイトルのポップな響き、キービジュアルの華やかなイメージから、現代の電脳的な世界観を想像した人もいるかもしれない。
だが本作の舞台となるのは、南朝と北朝の争いが続く1374年。主人公は猿楽を舞う観世座の座頭・観阿弥の息子で、後に世阿弥となる鬼夜叉という男の子。能を大成した人物の少年時代を扱う、予想以上に本格的な歴史ドラマなのだ。
能の源流となる「猿楽」の家に生まれながら、舞の価値を理解できずにいる11歳の鬼夜叉。戦によって多くの命が失われて生活も苦しい時代に、なぜ舞を続けなければならないのか思い悩む。父の舞を見ても答えを得られない鬼夜叉だったが、屋敷を抜け出した先で、納屋の中でひとり舞い続ける女性の姿を目にする。
女性が舞うシーンでは激しい動きに合わせて線や形が崩れ、鬼夜叉の心象が入り交じった様子が大胆に描写される。舞に意味を見いだせずにいた彼は、その光景にのみ込まれ、初めて舞の魅力に心を動かされる。
SNSでは「現代の話かと思ってた…」「想像してたのとかなり違う」と、予想外だった時代設定や展開に驚く声があがった。それと同時に「後半のダンスシーンに釘付け」「舞の作画が凄すぎる」といった反響も続出し、「時代背景がよく描かれている」と歴史作品としての作り込みを高評価する声も見られた。
「人はなぜ舞うのか」という問いに鬼夜叉はどのような答えを見つけ、成長していくのか。現代の能へとつながる物語の行方に注目だ。


