1998年にNINTENDO64向けに発売された『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(任天堂)。3Dゼルダの原点にして、今なお語り継がれる不朽の名作だ。
2026年6月9日に配信された「Nintendo Direct」にて、Nintendo Switch2専用ソフトとしてリメイクされることが正式発表。再び注目を集めている本作だが、当時64版をプレイした人の記憶に強く刻まれているのは、冒険の楽しさだけではない。
そう、この作品はファンタジーの皮をかぶった、恐ろしいホラーゲームとしての側面もあった。不気味な敵、足を踏み入れたくない不穏なエリア、背筋が凍る恐怖演出……。子ども心に「ゼルダって、こんなに怖いゲームだったの?」と震えたプレイヤーも多いはずだ。
今回は、そんな『時のオカリナ』のトラウマ級のホラー要素をあらためて振り返ってみたい。
※本記事には作品の核心部分の内容を含みます。
■トラウマ筆頭格の恐ろしい敵「デドハンド」
本作のトラウマとして、真っ先に名前が挙がりそうなのがモンスターの「デドハンド」だ。井戸の底や闇の神殿の地中に潜むこの敵は、地面から突き出た無数の白い手でリンクをつかみ、拘束したところへ本体がゆっくりと迫ってくる。
青白い体に血がにじんでいるかのような模様、だらりと開いた口という禍々しいビジュアルもさることながら、手につかまったまま噛みつかれるという恐怖の演出が、当時の子どもたちの心に深い傷を負わせた。
もとよりゼルダシリーズでは「手」を模した敵が多いが、デドハンドの異質さはトップクラス。不気味な本体が迫ってくるのを見て、本気で逃げようとコントローラーを操作したあの時の絶望感は、実際に体験した人にしか分からないだろう。
■動きを奪うゾンビ「リーデット」と7年後の城下町
動きは遅く、走って逃げれば追いつかれることはない。それなのに恐ろしすぎる敵が「リーデット」である。
ゾンビのような見た目をしたこの敵は、リンクが近づくと甲高い悲鳴を上げながら睨みつけ、相手を麻痺させて行動の自由を奪う。そして動けない状態のリンクにゆっくりと近づき、抱きついて襲いかかってくるのだ。「見えているのに逃げられない」という状況は、単純な強さとは別ベクトルの恐怖をプレイヤーに与えた。
このリーデットの恐怖をもっとも実感したのが、7年後のハイラル城下町だ。子どもリンクのときは人々でにぎわい、犬が走り回っていたあの広場。マスターソードを抜いて7年後に飛んだリンクを待っていたのは、廃墟と化した城下町を徘徊するリーデットの群れだった。
かつての平和な光景を知っているからこそ、変わり果てた姿は衝撃的で、「時が流れる」という本作のテーマの残酷さを容赦なく突きつけてくる。


