■無惨のお気に入り? 壮絶な過去と圧倒的な有能さ

 その唯一無二の能力から、鳴女は無惨の側近のような立ち位置で、作中にたびたび登場している。上弦の鬼に格上げされる前から無惨の傍に置かれており、彼女が特別扱いされていたことがうかがえる。実際に無惨自身も、「便利であるためお気に入り」と公言していたほどだ。

 極めつけは「柱稽古編」で描かれた、無惨が「鳴女 お前は私が思った以上に成長した」「素晴らしい」と彼女を絶賛するシーン。自分以外に興味のない無惨がここまで鬼を褒めること自体が珍しい。無惨にとって鳴女が、いかに信用のおける優秀な部下であるかが分かるひと幕だ。

 そんな鳴女の過去は、『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』の中で明かされている。

 人間時代、彼女は琵琶弾きとして生計を立てていたが、素行の悪い夫に虐げられ、のちに彼を殺めてしまう。しかし、その直後に弾いた琵琶の演奏が偶然にも絶賛されたことから、以降は良い演奏をするために人を殺めるようになっていく。くしくも無惨を次の獲物に定めて襲いかかったところを返り討ちに遭い、なぜか気に入られて鬼にされたのだという。

 作中に登場する多くの鬼たちと同様に、人間時代の鳴女も過酷な境遇で生きていた。夫からのひどい扱いに耐え、懸命に生きようとしていた中で、心の糸がプツンと切れてしまったのだろうか。とはいえ、良い演奏のために人を殺すという思考は、やはり常軌を逸している。無惨はそんな彼女の異常性を気に入って、自分の手駒にしたのかもしれない。

 

 無惨のお気に入りとして暗躍してきた鳴女だが、彼女の素顔は謎に包まれたままだ。だが、コミックス第12巻のおまけページでは、上弦の鬼たちが無限城で揉めて騒ぐ中、「早く帰ってくんないかな」と内心でぼやく人間らしい一面も描かれている。

 また、口数が少なく物静かな印象だが、しつこく言い寄る童磨に「お断りします」とピシャリと言い放ち、無限城から強制的に追い出すなど、ドライな一面も見せていた。

 今後、映像化される「無限城編」では、そんな彼女が大活躍する。最終決戦の行方とともに、鳴女の動向にも注目してみてはいかがだろうか。

 

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鬼滅の刃 1
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