今期トップクラスの話題作となったドラマ『銀河の一票』(フジテレビ系)も、いよいよ最終回を迎える。星野茉莉(黒木華さん)が支える月岡あかり(野呂佳代さん)陣営、そして日山流星(松下洸平さん)や風間藍生(梶裕貴さん)らライバル陣営も、都知事選最後の戦いへと乗り出し、物語はクライマックスに向けてますます熱を帯びている。
そんななか放送された第10話では、これまでに積み重ねてきた人々の絆にもスポットライトが当たっていた。物語の中心にいるのはあかりや流星たちだが、その傍らには彼らを支え、ときに背中を押し、ときに物語を大きく動かしてきた人々の姿がある。今回は、物語に欠かせない存在として輝きを放つ「脇役」のなかから、特に際立っていた3人のキャラクターを振り返っていきたい。
※本記事はドラマ『銀河の一票』第10話までの内容を含みます。
■チームあかりの守護神!選挙の天才・五十嵐隼人
第4話でチームあかりに加わった、「テンサウザンド」の異名を持つガラさんこと五十嵐隼人(岩谷健司さん)。かつて星野鷹臣の秘書として辣腕を振るい、無名だった雲井蛍を西多摩市長へと導いた実績を持つなど、政界では知らぬ者のいない選挙のプロフェッショナルだった。
ある事件を機に政界を追われ、小さな銭湯の傍らで「よろず困りごと相談所」を営みながら静かに暮らしていた彼を見つけ出し、再び政治の世界へ呼び戻したのが茉莉である。
チームあかりの参謀となってからは、政治にうといあかりを支え、真っ直ぐすぎる茉莉には選挙の勝ち方を伝授。アベンジャーズ作戦のように奇抜で意外な戦法を次々と繰り出しチームを牽引してきた。五十嵐の存在がなければ、あかりたちのここまでの躍進は決してなかったはずだ。
その真価は、物語が最終章へと突入した今もなお発揮されている。第10話では、新座学部長の自死の真相や告発文の送り主について、すでにある程度の見当をつけている様子を見せている。選挙戦への対応に追われる過密スケジュールのなか、鷹臣を巡る闇の解明にも目を光らせているのだ。
さらに五十嵐は、その告発文を選挙の道具として利用するのではなく、あくまでも正攻法で勝利を掴むべきだと茉莉に諭している。それは、ここまで懸命に都知事選と向き合ってきた2人の努力を汚さないための選択であり、同時に真実の陰で傷つく人々を守ろうとする優しさの表れでもあった。
常に一歩先を見据えて状況を読み解く一方、弱い立場にいる市民や仲間への気配りも決して忘れない。的確な助言で人々を導くその姿からは、冷静な戦略家であると同時に、温かな人間性もうかがえる。その卓越した戦略眼と人情味あふれる人柄こそが、五十嵐が多くの視聴者から「こんな人が近くにいたらいいのに」と愛される理由なのだろう。
■最終章のキーパーソンか?謎多き秘書・雫石誠
一方、民政党幹事長として威厳を放つ鷹臣の傍らで、長年秘書を務める雫石誠(山口馬木也さん)もまた、物語に欠かせない重要人物の1人だ。流星に「敵に回したら食われる」と言わしめるほどの隙のない仕事ぶりや、いかなる窮地に立たされようとも表情ひとつ変えず淡々と職務を全うする姿は、まさにプロの仕事人と呼ぶにふさわしい。長年のキャリアに裏打ちされた有能さと揺るぎない忠誠心は、人情派のガラさんとはまた異なる魅力を放っている。
雫石は胸の内をほとんど明かさないことからどこか謎めいた空気をまとっており、SNSでも「何を考えているのか分からない」「実は敵なのか味方なのか」とたびたび考察の的になってきた。その真意は長らくベールに包まれてきたが、第10話では彼が今後の物語を大きく動かすキーパーソンであることが示唆された。
自死した新座学部長の鞄に入っていた宮沢賢治『銀河鉄道の夜』。実は雫石も宮沢賢治の著作を愛読しており、一時期は絵はがきを五十嵐に何枚も送っていたという。五十嵐が見せたはがきに書かれていた「正しく強く生きるとは 銀河系を 自らの中に意識して これに応じていくことである」という言葉からは、雫石の心に秘められた清く強い意志が滲んでいる。
だが、かつてその言葉に込められていたまっすぐな信念は、今では苦悩や葛藤へと変わってしまっているのかもしれない。視聴者からは例の告発文を書いた人物が実は雫石なのではないかという予想もあがっており、「孤独になっていく雫石の姿が切ない」「告発文には鷹臣を止めたかったという意図があるのでは?」といった考察まで飛び交っている。
第10話のラストでは、五十嵐が雫石を釣り堀に呼び出し「答え合わせがしたい」と手紙を見せるシーンが描かれた。はたしてそこで雫石は何を語るのか。最終話の行方を左右するキーパーソンとして、彼の動向から目が離せない。
■一体何者?“スーパー介護士”・相良大樹
最後は、数々のスーパープレイで視聴者の注目をさらった介護士・相良大樹(伊能昌幸さん)を振り返りたい。初登場時は、あかりが訪れた介護施設で働く、落ち着いた物腰の真面目な青年という印象だった大樹。あかりと老人たちとの交流を見守るなかで、自ら「手伝えることがあれば」と申し出てチームに加わった。
彼の本領が発揮されたのはここからだった。野原北斗とともに向かった立候補届の提出順を決めるくじ引きでは、5番を引いた藤堂昴に真顔で「譲ってくれませんか?」と切り出し、その場にいた全員を驚かせる。誰もが運任せの結果を受け入れるなか、迷いなく交渉に出る肝の据わりようとそれにたじろぐ昴との掛け合いは、大樹という人物の“大物感”を象徴する名シーンだったといえるだろう。
さらに、ボランティアが200人不足していると聞けば「集めましょうか?」とあっさり口にし、実際に短期間で必要人数を確保。蛍が思わず「何者…」と漏らしたように、その底知れない行動力は視聴者にも大きなインパクトを与え、「普通の介護士がここまでできる?」「大樹って何者?!」とSNSでも大きな話題となった。
そして第10話では、その驚異的な能力が再び発揮される。多くのボランティアがいても達成できないように思われた「公示日当日の全掲示板ポスター貼り完了」が、途中で姿を消した大樹によって完遂されたのである。掲示板マップをすべて塗りつぶすその姿はあまりにかっこよく、SNSでその旨を知った敵陣営の流星ですら思わず「えっすご」と感嘆の声を漏らしていた。
達成方法は最後まで明かされなかったものの、与えられたミッションを淡々とこなし、期待以上の結果を残す姿はまさに大樹らしい。謎めいた行動力と頼もしさ、そしてどこか飄々としてミステリアスな人柄が相まって、第9話と10話で一気に人気を集めたことは間違いないだろう。底知れない能力を秘めているだけに、最終話でも視聴者の予想を超える活躍を見せてくれることに期待したい。
物語が最終章へと突入するなか、主人公たちを支える脇役たちの存在感もますます大きくなっている。最終回では選挙戦の結末とともに告発文の真相も明かされるなど見どころは尽きないが、そのなかで彼らが最後にどのような活躍を見せ、物語をどう動かしていくのかにも注目したいところだ。
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