■吉住ワールド炸裂! 爽快な謎解きミステリー『四重奏ゲーム』吉住渉
実写化も話題となった『ママレード・ボーイ』や、『ハンサムな彼女』などで知られる吉住渉氏。珠玉のラブストーリーを生み出してきた彼女も、ミステリーの傑作を披露した『りぼん』作家の1人だ。
1988年に連載された『四重奏ゲーム』は、単行本1巻で完結する短編ながら、謎解きミステリーとして高い満足感を得られる作品だ。
本作の舞台は、音楽大学の付属中学校。明るく人気者の友成笑、成績優秀なまとめ役の的場類、不良にも臆さない美女の安東妙子、そして校内一のプレイボーイ・樫本孝純という個性的な4人組が、音楽家・シューベルトの“幻の楽譜”を巡る事件に巻き込まれていく。
それぞれがソリストとして一目置かれている4人は、15年ぶりに帰国する天才ヴァイオリニスト・伊集院英至の前で「弦楽四重奏(カルテット)」を披露することになる。教師の神田が選んだ曲は、シューベルトの未発表曲とされる「虹」だった。
しかし、練習中に偶然「虹」の直筆楽譜を見つけてしまった笑たち。楽譜が見つかった部屋の所有者である教師・小池が失踪していることを知り、彼らは「その楽譜が関係しているのでは」と推察。そして、一連の事件を解決すべく動き始めるのだった。
本作は、音楽と学園ラブコメ、そしてミステリーといった、多様なジャンルが入り混じっているのが特徴だ。事件の真相に迫る終盤には息をのむ展開が待ち受けており、短編ながらも非常に読み応えのある名作といえるだろう。
個性的で魅力的なメインキャラクターの4人を描く手腕もまた、吉住氏ならでは。彼らが織りなす『四重奏ゲーム』は、読んだ後に爽やかな読了感を与えてくれる珠玉のミステリーである。
『りぼん』を代表する有名漫画家たちが手がけたミステリー作品たち。ふだんの作風とは一味違ったこれらの作品は、少女漫画らしい魅力も残しつつ、本格的なミステリーとしても楽しめるものばかりだ。
いずれの作品も全3巻以内と、気軽に読むことができるのも魅力。これらが未読の人は、ぜひこの機会に読んでみてほしい。人気作家たちの新たな一面に触れることができるはずだ。
■小花美穂のミステリー作品…全3巻! Kindleで『パートナー』をチェック



