■魔法の歴史を変えた魔族『葬送のフリーレン』クヴァール

 『葬送のフリーレン』(原作:山田鐘人氏、作画:アベツカサ氏)に登場するクヴァールは、「腐敗の賢老」の異名を持つ魔族だ。登場期間はごくわずかながら、その存在は作中世界の魔法の歴史そのものに大きな影響を与えた。

 なかでも特筆すべきなのが、「ゾルトラーク(人を殺す魔法)」の開発である。効率よく人間を殺すことに特化したこの魔法は、当時の人類を絶望させた。しかし、その脅威ゆえに徹底的な研究が進められ、後に人類の魔法体系へと組み込まれていく。

 現代では魔法使いの基本技術として扱われているが、その原型を生み出したのはクヴァールだ。その功績を踏まえれば、現代の魔法戦闘の基礎を築いた1人といっても過言ではないだろう。

 しかし、クヴァールの才能は魔法の開発だけにとどまらない。封印から解放されたクヴァールは、フリーレンとの戦闘でゾルトラークへの対抗手段が確立されていることを見抜くと、即座に新たな戦術へと切り替えている。約80年もの時が流れていたにもかかわらず、現代の戦闘環境へ瞬時に適応してみせたのだ。

 もし彼が封印されることなく活動を続けていたなら、さらなる恐ろしい魔法を生み出していた可能性は十分考えられる。ゾルトラークの開発や80年後への驚異的な適応力を踏まえれば、クヴァールは単なる強敵ではなく、人類にとって最大級の脅威となり得る存在だったといえるだろう。

 

 早期退場したキャラクターの魅力は、作中で描かれた強さだけではない。その先にあったかもしれない成長や活躍の可能性、そして彼らが物語に与えたであろう影響に思いを巡らせられる点も大きい。

 キルヒアイスをはじめ、ウボォーギン、煉獄杏寿郎、クヴァールはいずれも、計り知れない可能性を秘めたまま物語を去った存在だ。だからこそ、今もなお多くのファンの想像をかき立て、愛され続けているのである。

 

■再放送で話題再燃!伝説級のヒット作、その原点をチェック 
鬼滅の刃 1
鬼滅の刃 1
  1. 1
  2. 2
  3. 3