35周年&新作アニメ公開に沸く『サイバーフォーミュラ』、ブリード加賀に新条直輝、ナイト・シューマッハ…往年の女性ファンを魅了した「音速のレーサーたち」の輝きの画像
吉松孝博氏の描き下ろし『サイバーフォーミュラ』35周年アニバーサリービジュアル (C)サンライズ ※新世紀GPXサイバーフォーミュラ公式X(@Cyberformula_GP)のポストより

 2026年4月、アニメ『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』シリーズの35周年を祝して、新作ショートアニメの公開が決定。シリーズの正統続編となる新作情報に、往年のファンが歓喜の声を挙げている。

 『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』とは、1991年からテレビアニメが放送された、架空のモータースポーツを描いたサンライズ作品。シリーズ監督は、後に『機動戦士ガンダムSEED』シリーズなどを手がける福田己津央氏、キャラクター原案を『テイルズオブ』シリーズでおなじみのいのまたむつみ氏、メカニックデザインには『マクロス』シリーズの河森正治氏といった、そうそうたるメンバーが名を連ねている。

 テレビアニメは全37話という中途半端な話数で最終回を迎えたが、これについて福田監督は自身のXにて、「サイバーフォーミュラや電童(GEAR戦士電童)もみんな打ち切りだったよ」と明かしている。

 しかし、テレビアニメのクライマックスにかけての盛り上がりは凄まじく、熱烈なファンを生んだ。そのため、テレビアニメが終わった翌年の『新世紀GPXサイバーフォーミュラ11(ダブルワン)』から『SIN』までの約8年間、OVAシリーズが途切れることなく制作されるほどの人気を誇った。

 河森氏がデザインしたマシンの洗練されたビジュアルのかっこよさ、ブースト起動時の迫力あふれる加速感、レースの合間に描かれる濃密な人間ドラマなど、魅力を挙げたらキリがない。

 中でも、主人公の風見ハヤトをはじめ、いのまたむつみ氏が原案を務め、吉松孝博氏がキャラクターデザインを担当した“イケメンレーサー”たちは、当時の女性アニメファンの心もつかんだ。

 そこで『サイバーフォーミュラ』のテレビシリーズからOVAに至るまで、リアルタイムで追い続けた筆者が、特に魅了された「音速のレーサーたち」を振り返りたい。

※本記事には各シリーズの核心部分の内容を含みます。

■草レースの暴れん坊がたどり着いた「最速の高み」ブリード加賀

 最初に取り上げたいのは、「アオイZIP」に所属するレーサーのブリード加賀(声・関俊彦氏)。サンライズが30周年記念に実施した「キャラクター人気投票」(2021年)では、主人公のハヤトを抑えて堂々の1位に輝いた。

 「サイバーフォーミュラマシン人気投票」(2022年)でも、彼の愛機「凰呀AN-21」が第1位を獲得しており、まさに主人公を食うほどの人気キャラといえるだろう。

 まず女性目線で感じた加賀の魅力といえば、やはり派手なルックスだ。緑の髪を逆立て、両脇はオレンジ色のメッシュ。襟足から伸びる長い三つ編みに、額には三日月型の傷跡、そして大きな三角形のピアスをしている。どこかワイルドで、アウトローなビジュアルに惹かれた視聴者は多いはず。

 またハヤトの良き兄貴分として頼れる存在でありながら、どこか影を感じさせる雰囲気をまとっており、どこか「放っておけない危うさ」が漂うキャラだった。

 ふだんはガメつく、ひょうひょうとしたお調子者だが、ハンドルを握れば雰囲気が一変し、超一流のドライビングテクを発揮する。その平常時とレース時のギャップも、彼の大きな魅力である。

 レーサーとしての加賀はまさに叩き上げで、さまざまな過酷な出来事を乗り越えてきた。サイバー界にデビューしてからは守銭奴キャラの印象はなくなり、天才的な技術と魂のこもった走りでトップレーサーとして君臨する。

 時には意にそぐわないチームオーダーに背き、ライバルたちの正々堂々としたバトルを後押しする熱い場面も。OVAの『SAGA』で飛び出した、「忘れんなよ、俺たちはマシンの性能比べをやってるんじゃねぇ!」というセリフは、彼のレースに対する信念を象徴しているようだった。

 そして『SIN』では、主人公であり最大のライバルでもある風見ハヤトと最後まで激闘を繰り広げる。加賀が乗るサイバーマシン「凰呀(おうが)」が彼の覚悟に応え、満身創痍で勝利をつかみ取るシーンは最高のひと言に尽きる。

 ちなみにラストの空港ロビーのシーンで、心機一転して短髪黒髪になった加賀の色気にドキリとさせられたのは筆者だけではないだろう。

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