■「馬鹿だ」と断じた亡き相棒と同じように子どもを庇う
フリーレン一行や一級魔法使い・メトーデとともに、ゲナウは村を襲った魔族討伐を始める。対峙することになったのは、くしくもかつて自分の相棒の命を奪った四刀流の魔族“神技のレヴォルテ”だった。
ゲナウのかつての相棒は、戦いの最中に見ず知らずの子どもを庇ったことで命を落とした。ゲナウ自身はその行為を「馬鹿だよな」「お陰で魔族を仕留め損ねた」と一見冷ややかに評価している。これは、何度も人を見捨ててきたと自嘲する彼らしい言葉だといえるだろう。
シュタルクとともに、相棒の仇であるレヴォルテとの戦いに挑むゲナウ。自身の得意魔法である「黒金の翼を操る魔法(ディガドナハト)」とシュタルクの機転を利かせた連携でレヴォルテを追い詰めるが、その最中、彼はいるはずのない生き残りの子どもを発見する。
とっさに、その子どもを保護しようとしたゲナウだったが、次の瞬間、なんとその子どもに刃物で腹を刺されてしまう。子どもだと思ったのはレヴォルテが用意した魔族であり、卑劣な罠だったのだ。
かつて戦場で子どもを庇った相棒を「馬鹿だ」と言ったゲナウが、結果的にまったく同じ行動をとってしまったのである。「やっぱり柄でもないことはするものじゃないな…」とぼやくゲナウの顔は、いつもの無表情ではなく、自分に呆れたように穏やかにほほ笑んでいたのが印象的だ。
ちなみに、過去の回想で、ゲナウはゼーリエと2人きりで相棒を弔う際、「立派な最後でした」と口にしている。ゼーリエは「心にも無いことを言うんだな」と評したが、今回の彼の行動を踏まえると、はたしてゲナウの本心はどちらにあったのだろうか。
シュタルクの奮起もあり、ルーフェン地方の激戦はゲナウがレヴォルテを討伐することで幕を閉じた。このエピソードを通じて、それまで出番の少なかったゲナウが、冷たい態度と熱い感情を併せ持つキャラクターとして知られ、その魅力的なギャップで人気が爆発。そして第3回人気投票でファンから熱い支持が寄せられ、約139万票で1位を獲得したというわけである。
既存のキャラクターが新たなエピソードで深掘りされ、意外な一面を見せてくれるのは、長期連載作品の醍醐味ともいえる。今後も予想外の掘り下げで注目されるキャラは現れるのだろうか? ますます目が離せない。
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