■まさかのミスで政府直轄地が壊滅?
かつてCP9だったフーズ・フーの失態もさることながら、CP9の司令長官だったスパンダムによる「バスターコール誤発動」も、サイファーポールの威信を地に落とした象徴的な事件といえるだろう。
エニエス・ロビー編では、CP9と麦わらの一味によるニコ・ロビンを巡る争いに発展。彼女を海軍に引き渡そうとする混乱の最中、CP9は麦わらの一味の追撃を受ける。その状況に焦ったスパンダムは、「子電伝虫」と間違えて、「ゴールデン電伝虫」のスイッチを押してしまう。
ゴールデン電伝虫とは、海軍本部に無差別砲撃「バスターコール」を発動させる装置であり、青キジから預かっていたものだった。スパンダムは当初、これを脅しの道具として使うつもりだったが、うっかりミスで発動させてしまったのである。
一度発動されたバスターコールは取り消すことはできず、海軍中将5名と軍艦10隻が、世界政府の直轄地である「エニエス・ロビー」を殲滅すべく砲撃を開始。設立以来、侵入者も脱走者もいっさい出さなかった司法の島エニエス・ロビーは、サイファーポールの司令長官の凡ミスによって壊滅状態になったのである。
その惨劇を引き起こした張本人のスパンダムは、「おれはサイファーポール No.9の長官だぞ」「政府へと受け渡す為バスターコールをかけた!! それでいいじゃねェか」と自己のミスを正当化。しかもその様子まで電伝虫を通じて、島中の政府関係者に伝わってしまうという二重、三重のしくじりっぷりを見せた。
結局、このバスターコールをもってしても、ロビンどころか麦わらの一味を誰1人捕らえることができず、CP9のメンバーは全員敗北。結局、政府の重要拠点だったエニエス・ロビーが完全壊滅しただけという、世界政府の権威を大きく損なう結果になってしまった。
ちなみにスパンダム自身は生き延びたものの、CP9司令長官の座を追われ、その後CP-0に配属されるも末端の扱いを受けている。
■油断したあげく、あっさり少女に倒される
ミスの種類にもいろいろあるが、油断や怠慢によるミスをやらかしたのが、CP8のメンバーであるアルファだ。
かつて世界政府はバーソロミュー・くまを従わせるために、娘のボニーの治療を約束。政府の目的が達成されるまで、ボニーの身柄は世界政府の監視下に置かれることとなる。そしてボニーは治療を受けるとソルベ王国に帰り、再びくまと離れ離れになった。
その後、ソルベ王国でボニーの看護師として、引き続き監視役を務めていたのがCP8のアルファだ。彼女はくまが送ってきたボニー宛ての手紙を容赦なく破り捨て、父娘の分断を図ろうとする。
一方、病気が治ったのに外にも出られず、くまからの手紙も届かない状況に10歳のボニーのイラ立ちは募る。そしてついに、看護師だと思っていたアルファが実は監視役であり、くまの手紙が届かない真の理由なども知ってしまったボニーは逃亡することに。
それに気づいたアルファも追いかけるが、ボニーは「トシトシの実」の能力によってパワーアップを果たし、アルファを一撃で倒した。
こうしてボニーは自由の身となり、その後は海賊として活動。シャボンディ諸島で一度は海軍に捕らえられたものの再び逃亡し、エッグヘッド編では父・くまの秘密や世界政府の暗部を知る重要人物として物語の中心に躍り出る結果となった。
アルファが、必要以上に少女ボニーを抑圧したあげく、あっけなく取り逃すという失態がなければ、くまのコントロールやソルベ王国への影響力、さらにはニカの伝説に関する情報管理など、さまざまな面で世界政府に有利に働いたはず。彼女の油断が、結果的に世界政府が隠してきた秘密が暴かれる一因となったのだから、その罪は相当重いといえるだろう。
サイファーポールは、世界政府直属のエリートたちで構成された諜報機関といった印象が強い。しかしあらためて物語を振り返ると、サイファーポールが要所要所で致命的な失態を犯してきたことが分かる。
世界政府の暗部を支えてきた組織の綻びが、今後の展開にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していきたい。
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