一見すると弱そうなのに…『ジョジョの奇妙な冒険』使い方次第でめちゃ強かった「当たり能力」ダンの“ラバーズ”にブチャラティの“スティッキィ・フィンガーズ”、マジェントの“20th Century BOY”も…の画像
アニメ『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』イメージビジュアル (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SBR製作委員会

 1986年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載が開始された『ジョジョの奇妙な冒険』は、とある一族にまつわる因縁の戦いを、時代、舞台を変え脈々と描き続けている。

 荒木飛呂彦氏が手がける大人気シリーズで、今年3月からはNetflixにて第7部『スティール・ボール・ラン ジョジョの奇妙な冒険』のアニメが配信されており、大きな話題を呼んでいる。

 本作といえば、人間の持つ精神エネルギーを具現化した特殊能力「スタンド」が実に印象的だ。しかし、そのなかには戦闘向きとは思えない、地味な能力も存在する。

 一見すれば“ハズレ能力”に見えるが、それを巧みに使いこなすキャラクターたちの姿も、読者を強く惹きつける魅力の1つだろう。

 そこで今回は、スタンド使いの手腕によって意外な活用法が見出されたユニークなスタンド能力を見ていこう。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■史上最弱にして最も恐ろしいスタンド?「ラバーズ」

 部ごとに舞台となる時代や国がガラリと変わるのが『ジョジョ』シリーズの大きな特徴だが、スタンドが初めて登場したのは、1988年の日本からエジプト・カイロに至るまでの旅路を描いた第3部である。

 主人公・空条承太郎たちジョースター一行をはじめ、実に個性的なスタンド使いが多数登場し、奇抜な能力で戦いを盛り上げた。

 そんななか、スタンドを操る本体自身が史上最弱と語るのが、鋼入り(スティーリー)のダンが操る「ラバーズ(恋人)」である。

 その見た目は蠍と人間を融合させたかのようだが、肝心なのはその大きさである。なんとミリ単位以下のミクロサイズで、肉眼では捉えられないほど小さいのだ。パワーは貧弱極まりなく、どれだけ力を振り絞っても髪の毛一本動かすことができない。

 一見すれば使いどころに困るような弱々しい存在なのだが、ダンはこのスタンドの小ささと圧倒的な射程距離を見事に活かし、思いもよらぬ方法でジョースター一行を苦しめた。

 彼はこのスタンドを人間の脳に侵入させ、自身と感覚を共有させた。これにより、自分が受けたダメージをスタンドを通じて相手の脳に伝え、さらに増幅した苦痛を与えるのである。

 もし本体であるダンを攻撃しようものなら、宿主となった人間は想像を絶する苦痛を味わうことになり、無事ではすまないだろう。さらにダンは、宿主となったジョセフの脳にDIOの「肉の芽」を植え付け、万が一に備えて二重の策を講じていた。

 人体の根幹である脳を支配するという残忍な手法もさることながら、痛みの共有によって自身が無防備になることへの防衛方法まで考えている点は実に抜け目がなく、ダンの狡猾さを物語っている。彼のセリフ通り、「史上最弱が最も恐ろしい」という意外な事実に戦慄した読者も少なくないだろう。

■ジッパーを使った思いもよらぬ応用方法「スティッキィ・フィンガーズ」

 第5部では舞台をイタリアに移し、ギャングスターに憧れるジョルノ・ジョバァーナが、ギャング組織「パッショーネ」を乗っ取るまでの激闘が描かれる。

 これまで同様、数々の個性的なスタンド能力が登場するのだが、なかでも我々が日常で使う道具を見事に活かしたユニークなスタンドが、ブローノ・ブチャラティが操る「スティッキィ・フィンガーズ」だ。

 人型の近距離パワー型のスタンドであり、その能力は殴った場所に“ジッパー”を取り付けるというもの。我々が衣服や小物などに付けて使うものと同様、対象に張り付かせ、チャックを開け閉めすることができる。

 これだけ聞くと戦闘向けではなく、どこかユーモラスな能力にも思える。だが、ブチャラティは作中で驚くべき応用方法を次々と披露した。

 スティッキィ・フィンガーズはジッパーを開けることで、物体の硬度や材質に関係なく、対象に穴を開けたり、完全に分離・切断することもできる。時にはジッパーで物体を開いて物を隠したり、閉じることで切断された肉体を再接続したりと、攻守にわたって多様な活用法を見せた。

 さらに、ブチャラティはジッパーをつかんだまま開閉させることで、自身の体を高速移動させたり、とっさに高所に避難したりと移動手段としても活用していた。

 攻撃に防御、回避に応急措置、収納に移動……と、ジッパーを取り付ける能力がこれほど多彩な活躍を見せることに、ただただ圧倒されてしまう。

 本体であるブチャラティの優れた応用力や、ここぞという場面での判断力があってこそのスタンド能力といえるだろう。

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