■美形キャラに魅せられた『エリア88』
こうして新谷かおる先生の描く世界にハマった私は、必然的に『エリア88』にも興味を惹かれます。『ファンロード』を読んでいたので作品の存在自体は知っていましたが、小学生が10巻を超えるコミックをポンと買えるはずもなく……。同じ『ファントム無頼』好きとして意気投合した友人が貸してくれたのが、『エリア88』とのファーストコンタクトです。
『エリア88』は、大手航空会社のパイロット候補生・風間真(シン)が親友・神崎悟にだまされ、内戦の続く中東のアスラン王国に傭兵として送り込まれます。その最前線「エリア88」で、戦闘機乗りとして過酷な戦いに臨む壮大な物語です。
社会情勢、政治、野望、陰謀、裏切り、情愛などが煮詰められた、昭和を代表する最高のエンタメ作品でした。
多くのキャラクターが登場し、当時の小学生には少々難しい内容でしたが、そんな自分にとって前述した『ファンロード』の特集記事は大変役に立ちました。
その『ファンロード』には、女性らしきペンネームで『ファントム無頼』や『エリア88』のファンアートや、アニメ化を夢見て描かれたセル画のようなイラスト、手づくりグッズなどが多数掲載。他のアニメ雑誌の読者コーナーにも女性ファンの投稿が目立ち、「こんなに仲間がいるんだ」と心強く感じたのを覚えています。
『エリア88』を貸してくれた友人は、『ファントム無頼』の私設ファンクラブ会報や、同人誌なども手に入れており、その奥付(当時は住所や本名が記載されていました)に書かれていた代表者名がすべて女性だったのも驚きでした。
会報にはファンアートやアニパロ漫画だけでなく、百里基地(百里飛行場/茨城空港)への聖地巡礼コラムや、詳細に調べられた写真やイラスト付きの戦闘機説明などもあり、その熱意に圧倒されます。もともとメカや戦闘機が気になっていた女性ファンたちが、新谷先生の作品と出会ったことで一気に“鉄分”が爆発した結果かもしれません。
こうした先人たちの熱意に影響を受けた私も、近場の朝霞駐屯基地に赴いて戦車やヘリコプターを見るために通うようになるのです。


