■凜々しい弓道着姿は反則級! 誰もが憧れた理想の先輩…『星の瞳のシルエット』久住智史

 柊あおいさんによる『星の瞳のシルエット』は、1985年から『りぼん』(集英社)で連載された、1980年代を代表するピュアな青春ラブストーリーだ。「250万乙女のバイブル」と称された本作は、主人公・沢渡香澄が親友の真理子と同じ人を好きになってしまったことから、友情と恋愛の間で揺れ動く切ない物語である。

 この物語のヒーローである久住智史は、香澄と同じ中学に通う弓道部所属の男子生徒だ。成績は学年トップクラスで運動神経も抜群、おまけにルックスも良く、父親と2人暮らしのため、料理などの家事も完璧にこなすという、まさに非の打ち所がない優等生である(のちに高校では天文部部長を務める)。

 特に当時の読者の心を撃ち抜いたのは、彼の凛々しい弓道着姿であった。普段の素朴で飾らない雰囲気から一転、弓を構える真剣な横顔には、全国の乙女たちがため息を漏らした。「こんな先輩が学校にいたら……」と憧れずにはいられない、まさに「初恋」を具現化したような存在なのである。

 香澄と真理子の間で板挟みになりながらも、実は幼い頃に香澄へ「星のかけら」をプレゼントしていたというロマンチックな過去を持つ設定も完璧だ。『イタズラなKiss』や『花より男子』のような俺様系やオラオラ系のキャラクターとは異なり、その圧倒的な優しさと誠実さが光る、1980年代最強の「理想のヒーロー」だったと言えるだろう。

 

 IQ200の天才に、桁違いの財力を持つ御曹司、そして欠点が見当たらない優しい王子様。今回紹介したようなヒーローたちは、現代の等身大な恋愛を描く漫画ではなかなかお目にかかれないだろう。

 しかし、こうした規格外のハイスペック男子との恋愛ストーリーだからこそ、読者は現実を忘れ、作品に没頭することができたのではないだろうか。

 今回紹介した不朽の名作たちは、現在、電子版でも楽しむことができる。あの頃のキュンとしたときめきを思い出しながら、もう一度ページをめくってみてはいかがだろうか。

 

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イタズラなKiss 1巻
イタズラなKiss 1巻
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