名作少女漫画「規格外すぎるモテ男」たち 『イタズラなKiss』入江直樹に『花より男子』道明寺司、『星の瞳のシルエット』久住智史も…の画像
DVD『イタズラなKiss』第1巻 (BMG JAPAN)(C)多田かおる/イタキス製作委員会

 少女漫画の醍醐味といえば、ヒロインと恋に落ちる魅力的な男性キャラクターたちの存在だ。特に昭和から平成にかけての名作少女漫画には、現代のリアル志向の作品ではなかなかお目にかかれないようなずば抜けたスペックを持つ「規格外のモテ男」が多数登場した。

 そこで今回は、今読み返しても思わずため息が出るほどハイスペックな男性キャラクターをピックアップ。強烈な個性と魅力でヒロインのみならず、読者も惚れてしまうほどの「最強のモテ男」を振り返ってみよう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■IQ200でスポーツ万能の超絶イケメン! 完璧で冷酷なプリンス『イタズラなKiss』入江直樹

 多田かおるさんによる『イタズラなKiss』は、1990年から1999年まで『別冊マーガレット』(集英社)で連載されたラブコメの金字塔だ。

 ドジで落ちこぼれの女子高生・相原琴子が、入学式で一目惚れした天才イケメン・入江直樹にラブレターを渡すもあっさり振られてしまう。しかし、ひょんなことから彼の実家に居候することになり、2人の関係が動き出す——というあらすじだ。

 本作のヒーローである入江は、少女漫画史に残る規格外のハイスペック男子として知られる。容姿端麗なのはもちろん、なんとIQ200の超天才。テストは常に全国トップで、一度見たものや聞いたものは完璧に覚えてしまう。さらにテニスをはじめとしたスポーツも万能、料理までプロ級にこなすという、まさに“歩くチートキャラ”なのである。

 しかし、その完璧さゆえに性格は極めて冷淡。「頭の悪い女はきらいなんだよ」と琴子を一蹴する塩対応は、普通の女子なら一瞬で心が折れるレベルだろう。

 だが、琴子のめげないアプローチに振り回されるうちに彼の中の氷が溶け始め、徐々に人間らしい感情や不器用な優しさを見せるようになる。

 その“絶対零度からのデレ”とも言えるギャップの破壊力は凄まじく、多くの読者が入江の魅力に夢中になった。作者・多田さんの急逝により未完の名作となってしまったのが悔やまれるが、彼が琴子にだけ見せた深い愛情は、今もファンの心の中で輝き続けているのだ。

■財力も暴力も桁違い!乱暴な俺様キャラだけど純情『花より男子』道明寺司

 神尾葉子さんによる『花より男子』は、1992年から2004年まで『マーガレット』(集英社)で連載され、世界各国で実写化もされた大ヒット作品だ。

 物語の舞台は、超富裕層が通う英徳学園。この学園に入学した一般庶民の牧野つくしが、学園を牛耳る御曹司4人組「F4」のリーダー・道明寺司に逆らったことで目をつけられ、壮絶ないじめに遭いながらも持ち前の雑草魂で立ち向かっていく物語である。

 この道明寺こそ、財力と権力をこれでもかと振りかざす、まさに規格外の暴君だ。世界的財閥「道明寺グループ」の跡取り息子であり、気に入らない生徒のロッカーに「赤札」を貼り、全校生徒を巻き込んだいじめのターゲットにする。ときに暴力も振るうなど、現代のコンプライアンスでは即刻アウトレベルであろう凶暴な振る舞いが特徴である。

 しかし、自分に歯向かったつくしに強烈な飛び蹴りを喰らったことで、彼は彼女に惚れてしまう。そこからの道明寺は一変。持ち前の俺様気質はそのままに、つくしのためならどこへでも駆けつけ、一途で不器用な愛情をストレートにぶつけるようになるのだ。

 金銭感覚のズレによるトンチンカンな言動や、時折見せる子どものようなピュアさとのギャップに、読者はいつの間にか“最悪の第一印象”を忘れ、いつしか道明寺を応援するようになった。

 傍若無人な暴君が世界で一番カッコイイ男に変わるその過程こそが、道明寺司という最大の魅力なのである。

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