【実写化作品「人気女優のぶっとび演技」4】沢尻エリカが魅せた「妖艶なる美しさ」、過激描写に体当たりで挑んだ『ヘルタースケルター』りりこの画像
沢尻エリカ  写真/ふたまん+編集部

 近年、ますます増えてきた漫画やアニメの実写化作品。原作ファンが多いほど大きな話題を集める一方で、キャラクターの再現度やストーリーの改変をめぐって賛否が分かれやすいジャンルでもある。

 漫画やアニメには、露出の多い奇抜な衣装や破天荒な行動が印象的なキャラクターも少なくない。そのため実写化にあたっては、演者がどこまで原作に寄り添い、身体を張った表現に挑むのかが問われることもしばしばだ。それでも俳優・女優たちは、キャラクターを現実世界に落とし込むべく試行錯誤を重ね、作品の世界観を見事に体現してきた。

 中には、「ここまでやるの?」と驚かされるほど過激なシーンに挑み、強烈な印象を残した女優たちも存在する。そこで今回は、実写化作品の中で体当たりの演技を見せた女優たちを、5回にわたって振り返っていきたい。

(第4回/全5回)

※本記事には作品の内容を含みます

■すべてをさらけ出して圧倒的存在感を放った『ヘルタースケルター』沢尻エリカさん

 『ヘルタースケルター』は、1980年代後半から90年代にかけてカリスマ的人気を誇った漫画家・岡崎京子さんの代表作の1つだ。

 本作は、全身の美容整形で常人離れした美貌を手に入れたトップスター・りりこが、芸能界という華やかな世界に執着するあまり、美しさの崩壊とともに精神も蝕まれていく姿を描いたサスペンス。整形の副作用やメンテナンスに苦しみながら次第に正気を失っていく心理描写、そして過激な性描写など、刺激的な展開が当時の読者に強烈な衝撃を与えた。

 その激しい内容から実写化のハードルも高い作品だったが、2012年、蜷川実花監督のもと映画化が実現。極彩色の使い手である蜷川さんらしい赤を基調とした映像美と、原作に忠実な過激描写という強烈な世界観は観る者を圧倒し、R-15指定ながら興行収入20億円を超えるヒットを記録した。 

 そして、そんな実写映画で難役のりりこを演じたのが、沢尻エリカさんだった。本作は、もはや彼女のための作品と言っても過言ではない。それほどまでに、美しさへの執着から心のバランスを欠いていき、崩壊していくりりこを体当たりで真正面から演じきっていた。

 特に印象的なのが、その美しい体をさらけ出す濡れ場の数々だ。沢尻さんは当時のインタビューで、「原作やこの役にリスペクトがあります。この作品の世界観を再現したい」と語っていた。実際、スクリーンの中でさまざまな男性や女性と絡み合う姿からは、単なる官能性を超えた、りりこの内面の危うさが感じとれた。

 また、本番前のテスト段階から服を脱ぎ、全身全霊で挑んだというエピソードも印象深い。本人は“ラテン系だから”と明るく語っていたが、それはまさしく女優としての覚悟の表れにほかならないだろう。

 物語中盤、りりこは顔や体に現れるあざによって精神的に追い詰められていく。ここでの沢尻さんの感情表現は一線を画していた。鏡越しに自分の顔を見つめ、絶望の表情で涙を流し、そして笑う。美しさにしがみつくりりこが崩壊していく様を、恐ろしいほどの生々しさで演じたのだ。

 当時の沢尻さんは表舞台から距離を置いており、本作は実に5年ぶりの映画主演作。それだけに、作品にかける思いもひとしおだったはずだ。初日舞台挨拶では「りりこ全部にシンクロしてました」とも語っており、役への没入がいかに深かったかがうかがえる。

 かねてから演技力に定評のあった沢尻さんだが、本作で見せた壊れゆくりりこの姿は、それまでのイメージを覆すほどの迫真性と覚悟に満ちていた。本作は単なる復帰作という枠を超え、沢尻エリカという女優の真価を世に知らしめた1作だったと言えるだろう。

 

 芸能界という華やかな世界の裏に潜む孤独や絶望をえぐり出した『ヘルタースケルター』。その中心で揺れ続けたりりこを体当たりで演じ、沢尻さんは唯一無二の存在感を示した。

 そして2026年2月27日には、2019年の映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』以来の出演作となる『#拡散』が公開され、大きな話題を呼んでいる。これからも新たな表情を見せてくれるであろう沢尻さんに、改めて注目したい。

 

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