■悪人がいない安定感、20代になった2人の“最高のハッピーエンド”も話題に

 『ハンサムな彼女』はハッピーエンドで終わる以外にも、全体を通して気持ちが温かくなるストーリーが展開される点も魅力だった。芸能界ならではの金銭トラブルや競争といったシビアな側面も描かれてはいるが、登場人物は皆基本的に良い人なのである。

 例えば、一時的には未央と恋人同士になった可児収も、最終的には一哉との恋を後押し、良き友人として未央を支えていく。また未央によく突っかかっていたライバル女優の竹内みちるも、負けず嫌いで高いプロ意識を持つ人物であり、嫌いにはなれない。どの登場人物もそれぞれが目標を抱え、夢に向かって努力する姿に好感が持てるのだ。

 本編は、未央と一哉がこれからも幸せに過ごすことを示唆して幕を閉じたが、実はコミックス最終巻(9巻)のあとがきページで、サービスショットとして2人の結婚シーンが描かれている。

 そこにはウェディング姿の2人が登場し、作者から“2人の年齢は24、5歳って所かな?”というコメントが添えられている。

 お似合いな2人なだけに結婚はするだろうと思っていたが、実際にウェディング姿を見られたのは嬉しい。本編の枠外でひっそりと、しかし確実に描かれたこの最高のハッピーエンドは、長年彼らを応援し続けた読者にとって最高のプレゼントになったに違いない。

 

 『ハンサムな彼女』は、華やかな芸能界を舞台にしながらも、恋や夢、嫉妬といった10代の生々しい感情を丁寧に描き出した傑作である。“そのうち本物を買ってやる”という一哉の甘いセリフは、少女漫画史に残る名台詞の1つだろう。

 大人になった今だからこそ、改めて本作を手に取って読み返してほしい。あの頃の甘酸っぱい気持ちを追体験できるはずだ。

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『ハンサムな彼女』第1巻(りぼんマスコットコミックスDIGITAL)
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