■共に戦う者たちにも広がる?「痣」の不思議

 痣は、かつて戦国時代に無惨を追い詰めた、“始まりの呼吸の剣士たち”にも現れていたことが判明している。そして、“痣の者が一人現れると共鳴するように周りの者たちにも痣が現れる”と手記に記されており、炭治郎たちが生きる大正時代においても、彼の発現を皮切りに、時透と甘露寺にも痣が現れた。

 前述したように、炭治郎が痣を発現させたのは上弦の鬼との死闘の最中であった。長い鬼殺隊の歴史において、上弦の鬼と戦って生き残った剣士はほとんどいないという。

 事実、妓夫太郎と堕姫が倒された後、上弦の鬼たちが無惨に招集された際、半天狗が「呼ばれたのは百十三年振り」と語っている。これは上弦の鬼を討ち果たし、かつ剣士が生き残ったのは113年ぶりの出来事だったことを示唆している。

 上弦の鬼ほどの強さを持つ鬼と戦って死の淵に立ったことで、炭治郎は痣を発現させることができた。しかし、上弦の鬼に打ち勝ったのは炭治郎一人の功績ではない。炭治郎をはじめ、鬼殺隊の仲間たちの総力が上がっていたことで掴み取った勝利だった。

 そう考えると、痣は彼らが上弦と渡り合えるほどの実力を獲得しつつあることへの目印のようにも感じる。その証拠に、仲間たちも次々と痣を発現させていく。戦国時代に無惨をあと一歩のところまで追い詰めた「日の呼吸」を使う剣士は、炭治郎と同じような痣を持っていたという。

 「日の呼吸」から「ヒノカミ神楽」を取得した炭治郎が痣を発現させたことが、大きなきっかけになったことは間違いないだろう。共鳴するように痣者となっていく大正時代の鬼殺隊士たちも、始まりの呼吸の剣士たちに匹敵する力を身につけはじめたことの現れではないだろうか。

 

 特定の条件が揃った時に発現する「痣」。発現しているときは戦闘能力が格段に向上するが、常時発現させた場合、身体にはどんな影響が起きるのだろうか。短命という代償があることが分かっている以上、命を削る行為であることは想像に難くない。

 それでもなお、彼らは宿敵・無惨を倒すため、その命を削ってでも痣者となり、最終決戦に挑む覚悟を決めている。物語のクライマックスを描く「無限城編」の続編もまた、歴史に残る映画になることが期待される。

 

■「ここだけの話」が解き明かされる…『鬼滅の刃公式ファンブック』をチェック
『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』(ジャンプコミックス)
『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』(ジャンプコミックス)
  1. 1
  2. 2
  3. 3