身体能力は向上するが…『鬼滅の刃』物語の展開を変えた「痣の謎」発現条件や残酷すぎる代償、なぜ共鳴するように現れるのかの画像
『鬼滅の刃』4[DVD](アニプレックス)(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 吾峠呼世晴氏が手がける『鬼滅の刃』。鬼と人間との壮絶な戦いを描いた本作は、アクションシーンだけでなく、キャラクターの人となりや、過去のエピソードなどが丁寧に描写されており、その物語が胸を打つ点も人気の理由だろう。

 最終決戦を描いた「無限城編」は、劇場版三部作として制作が決定している。すでに第一章は公開され、爆発的なロングランヒットを記録した。興奮冷めやらぬ中、これまで放送されたアニメ全編が4月5日から再放送されており、続く第二章への期待は高まるばかりだ。

 そんな本作において、重要なキーワードとして登場するのが、特定の領域に達した人間が発現させる「痣」である。この痣の発現が、鬼の始祖・鬼舞辻無惨との戦いを動かすことになったのだ。
今回は、『鬼滅の刃』の物語の展開を大きく変えた「痣」について、深掘りしていこう。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

 

■始まりは炭治郎から…「痣」を発現させた者たち

 作中で最初に「痣」を発現させたのは、主人公・竈門炭治郎であった。

 「遊郭編」における上弦の陸・妓夫太郎と堕姫との戦闘中にて。初めて対峙する上弦の鬼の強さに圧倒され、妓夫太郎の使う毒により、炭治郎や音柱・宇髄天元さえも苦戦を強いられていた。

 妓夫太郎と堕姫の頸を同時に斬り落とさなければならないという極めて難易度の高い状況の中、ついに炭治郎に好機が訪れる。

 宇髄が妓夫太郎を串刺しにして動きを止めた際に後方から飛びかかった炭治郎は、顎に鎌を刺されながらも頸を斬るため刀を振り続けた。「渾身の一撃じゃ足りない」「その百倍の力を捻り出せ!!」と食らいついたその瞬間、炭治郎の額にあった痣が炎のように変化したのである。

 元々、炭治郎の額には、幼い弟を庇ったときに負った火傷の跡があった。さらに、藤襲山での最終選別で「手の鬼」と戦った際に同じ場所を負傷し、それが痣のような形となっていた。

 だが今回、妓夫太郎との死闘を経て炭治郎が発現させた鮮やかでくっきりとした炎のような形の痣こそ、本作において剣士が特定の領域に達し「覚醒」したことを意味するものであった。

 炭治郎の痣はその後、一旦元の形に戻っていたが、「刀鍛冶の里編」で上弦の肆・半天狗の分身と戦った際にも、再び発現している。

 そして「刀鍛冶の里編」では、炭治郎以外にも痣を発現させた者が現れた。上弦の伍・玉壺と戦った霞柱・時透無一郎と、半天狗と戦った恋柱・甘露寺蜜璃だ。彼らもまた、戦いの中で窮地に立たされ、誰かを守るために自身を奮い立たせた際に痣を発現させている。

 時透は、霞のようなモヤの形状、甘露寺はハートのような形状をしており、それぞれが使う呼吸を模したデザインなのも印象的だった。

■「痣」の発現条件と残酷すぎる代償

 炭治郎をはじめ、痣を発現させた者たちは皆、身体能力が飛躍的に向上し、攻撃力が増加した。この「覚醒」状態は強力だが、太陽を克服した竈門禰󠄀豆子の存在は、無惨が総力をあげて彼女を狙うことを意味していた。これを見越した産屋敷耀哉は、対抗策として柱たちの痣の発現を急務としたのである。

 そのため、すでに「痣者(あざもの)」である時透と甘露寺に対し、その発現条件を他の柱にも伝授するように依頼する。炭治郎や甘露寺は無意識に発現させていたが、時透は冷静に自身の状態を分析しており、その結果「心拍数200以上」および「39度以上の体温」という具体的な条件が判明した。

 普通の人間であれば、そんな状態の中でまともに動くことすら不可能だろう。まさに命の危機に瀕する中で痣を発現させられるかどうかが、痣者となれるかの分かれ道であると時透は推測した。

 まさに命懸けで得られる痣だが、それは諸刃の剣でもある。強大な力を得られる一方、“痣を発現させた者は、例外なく25歳を迎える前に死ぬ”という大きな代償を伴うものでもあった。

 14歳の時透をはじめ、鬼殺隊士の多くは10代から20代前後の若者で構成されている。“25歳までに死ぬ”という事実は、残された時間がわずか数年であることを意味する、残酷な宣告でもあるのだ。

 ただし、アニメではまだ描かれていないが、原作では“例外”として、痣者でも長命だったキャラクターも存在している。とはいえ、強さを得るための代償はあまりに大きいと言えるだろう。

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