20世紀のガキ大将は22世紀に勝てるのか? 『ドラえもん』意外と多い「ジャイアンVSひみつ道具の対決」の画像
小学館コロコロ文庫『ドラえもん』[ジャイアン編](小学館)

 時代を超えて愛され続ける『ドラえもん』(藤子・F・不二雄氏)は、野比のび太がドラえもんから「ひみつ道具」を借りて騒動を巻き起こす流れがフォーマットになっている。

 のび太がひみつ道具を借りる理由はさまざまだが、ありがちなのが「いじめっ子のジャイアンに仕返しをしたい」というものだ。時には、攻撃的なひみつ道具をジャイアンに直接用いて、やっつけてしまうこともある。22世紀の科学技術で小学生を攻撃するのは大人げないが、のび太もまた小学生なので許されるのかもしれない。

 では、ひみつ道具の標的となったジャイアンは、一体どうなるのだろうか。未来の力を前にして手も足も出ないのか、あるいはガキ大将のプライドをもって返り討ちにするのか。実はひみつ道具によってその結果は異なり、名勝負と呼びたくなるような対決も存在する。

 そこで今回は、「ジャイアンVSひみつ道具」と銘打ち、ジャイアンがひみつ道具と繰り広げた戦いのエピソードと、その勝敗を紹介しよう。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■自業自得? 悪いことをしたジャイアンが負けるエピソード

 ジャイアンがひみつ道具に敗れる展開は、特に初期のエピソードに多い。

 たとえば、てんとう虫コミックス第4巻収録の「おもちゃの兵隊」では、のび太を殴ろうとするジャイアンがひみつ道具「おもちゃの兵隊」に銃剣で撃たれ「ギャハァ」と悲鳴を上げて逃げ出してしまう。

 銃の火薬で全身真っ黒にされる姿はちょっとかわいそうに思えるが、その前にのび太に言いがかりをつけて「あと二、三十回ぶんなぐってやる」と言っているので、同情の余地はあまりないだろう。

 また、第14巻収録の「台風発生機」では、同名のひみつ道具が作り出した小型台風に家の中をめちゃくちゃにされ、母親に平手打ちされるジャイアンが登場する。これも、もとをたどればのび太の弱みにつけ込み、自分の部屋を無理やり掃除させたのが原因だ。

 このほかにも、第2巻収録「ロボ子が愛してる」、第13巻収録「ころばし屋」など、ジャイアンがひみつ道具に成敗されるエピソードは数多い。

 悪いことをすれば、相応の報いがある。そうした大事な教訓を、ジャイアンは小学生のうちから体に叩き込まれているようだ。

■理不尽な敗北…? とばっちりに遭うジャイアン

 長い『ドラえもん』の歴史の中には、ジャイアンがのび太をいじめない穏やかな日もあるわけだが、そうであっても彼はひみつ道具と戦い、負けることもある。これは、“日頃の行い”というやつかもしれない。

 ジャイアンは悪くないのにとばっちりを受けるエピソードとして、第43巻に収録された「強~いイシ」は特に印象深い。設定した目標を達成するまで対象を追い続ける石「強いイシ」を借りたのび太だが、設定を誤ったことで逆に「強いイシ」に追われ続けるハメになる。

 のび太に助けを求められたジャイアンは、バットを片手に「石ころなんかきても、ぶっとばしてやる」と頼もしいが、相手は未来のひみつ道具だ。飛んできた「強いイシ」を相手にバットで奮闘するも、わずか3コマでボロ雑巾のような姿にされてしまう。ちなみにその間、のび太は戦うジャイアンを置き去りにして逃げ出している。仕方がないとはいえ、薄情な友人だ……。

 変則的な対戦結果となったのは、第20巻収録の「ゴルゴンの首」だ。目から放つ光線で生物を石のように硬直させる危険な「ゴルゴンの首」を借りたのび太は、これをうっかり学校の裏山に落としてしまう。

 解き放たれた「ゴルゴンの首」は野生の鳥、学校の先生、ついにはドラえもんまで石にしてしまい、事態を収拾できなくなったのび太はジャイアンとスネ夫に助けを求めた。

 スネ夫はさっさと逃げ出し、ジャイアンは木の上で待ち伏せる作戦に出るが、それも通用せず「ゴルゴンの首」に石にされてしまう。だが、落下する際に偶然「ゴルゴンの首」をお尻で押し潰すことに成功し、無事に事態は終息した。

 ジャイアン自身はひどい目に遭ったが、偶然とはいえひみつ道具をやっつけてもいる。あえて言うなら引き分けとすべきであろう。

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