■シナリオ選択によって唐突なラストバトルとなる『サガフロンティア』
サガシリーズといえば、フリーシナリオというプレイヤーが自由に行き先を選べる自由度の高いシステムが特徴的である。
そのシリーズの1つ、プレイステーションで発売された『サガフロンティア』(1997年、スクウェア)は、7人の主人公の中から1人を選んでスタートすることになる。
人間系キャラの、ブルー、レッド、エミリア、リュート。そして妖魔の血を引いている半妖のアセルス、モンスターの子どもクーン、メカのT260Gをあわせた計7人。これまでのシリーズ以上に、多種多様で個性的な主人公たちが登場する。
筆者は半妖という属性にくすぐられ、初回はアセルスを主人公に選んだが、このシナリオでは、街中などで突然敵の追手とバトルになることがあり、かなり驚かされる。行く先々で戦闘が起こり、しかもかなり手強い相手なので悩まされた。
そんなバラエティに富んだ主人公キャラの中でも、リュートのシナリオは実にドラマチックなものだった。なんと、序盤からいきなりラストダンジョンに行けるのである。
ある人物に話しかけると「モンド基地」に向かうかどうか尋ねられるのだが、一度行くと引き返せない。
「そうはいっても序盤だし、一時的に引き返せなくなるだけで、クリアすれば戻って来られるんでしょ?」「ラストダンジョンかもしれないけど、ラスボスはいないんじゃない?」などと思ったプレイヤーも多いはずだ。
しかし、これが本当にラストダンジョンで、そこにいるのはラスボスなのだ。いつでもラストダンジョンに行けるが、すぐに行っても当然ラスボスを倒すことはできないのである。いくらフリーシナリオを採用した作品とはいえ、これまでのRPGの常識を打ち破るような自由度の高さに驚かされる。
従来、ボス戦とはRPGにおけるクライマックスのシーンである。そのため、紆余曲折を経て終盤に訪れるのが普通であった。
「いきなりボス戦」という、物語の序盤にいきなりクライマックスを置くという手法は、意外性があって、ストーリーへの没入感を一気に高める。まるで映画のようなドラマチックな導入部の記憶は、いまだに忘れることができない。


