レトロRPGで最高にしびれた「いきなりボス戦」演出 最強武器や強さを奪われる『新桃太郎伝説』に、最終ダンジョンから始まる『サガフロンティア』も…の画像
『ドラゴンクエストVI 幻の大地』(エニックス) (C) 1995 アーマープロジェクト/バードスタジオ/ハートビート/エニックス(写真/ふたまん+編集部)

 ロールプレイングゲームにおける「ボス戦」というのは特別な高揚感をプレイヤーに与えるもの。長い旅路と出会いを重ねた末に、物語のクライマックスとして訪れるのがボス戦である。

 ザコ敵との地道な戦いによってレベルを上げ、武器・防具をそろえることで、「いよいよ来たぞ!」と万全な状態でボス戦を迎える。だが、これまで子どもたちをワクワクさせたゲームの中には、物語が始まるやいなや、突如「ラスボス」とのバトルに突入し、壮絶な幕開けを演出する作品もあった。

 それは何の前触れもなく現れたり、イベント直後に挑戦を余儀なくされ、苦い敗北を味わったりとさまざま。この予期せぬ展開は、なかなかにドラマチックで、名シーンとして語り草となっているものも少なくない。

 そこ今回はプレイヤーに強烈なインパクトを与えた「いきなりボス戦」があった名作を振り返っていきたい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。

■オープニングでボコボコにやられてしまう『新桃太郎伝説』

 『新桃太郎伝説』(1993年、ハドソン)は、スーパーファミコンで発売されたRPGで、昔話「桃太郎」の世界観をベースとした和風RPGの名作である。

 1987年にファミコンで発売された『桃太郎伝説』では、桃太郎は鬼ヶ島に棲むえんま大王をこらしめて平和な世界を取り戻すのだが、本作はその6年後の世界が舞台になった正式な続編。現実世界の経過時間とまったく同じタイミングで発売されたというのも面白いポイントだ。

 本作は、前作で敗れたえんま大王に「伐折羅王(ばさらおう)」というキャラが罰を与えているシーンから始まる。

 前作のラスボスをこっぴどく痛めつけるキャラだけあって、見た目的にも大物感が漂うが、この伐折羅王が、前作のヒロイン・かぐや姫の住む月に対して攻撃を仕掛けてくるのだ。

 そしてかぐや姫を救うために月の宮殿に向かった桃太郎が、待ち構えていた伐折羅王の息子・ダイダ王子と突然戦闘になる。

 このときの桃太郎のレベルは40段(レベル40)。前作『桃太郎伝説』の最高段数は48のため、前作をプレイした人であれば、すでに十分な実力があることが分かる。「だだぢぢの術」「ろっかくの術」といった強力な術もすでに覚えている状態だが、ダイダ王子にはまるで歯が立たない。

 そして「ひえんの術を吸い取った」「まんきんたんの術を吸い取った」と、ダイダ王子は桃太郎が持つ技をひとつずつ吸い取ってしまい、あげくは「勇気のけん」「勇気のかぶと」といった最強武器もすべて弾き飛ばしてしまう。

 まともにダメージを与えることすらかなわず、なすすべもなくやられた桃太郎は、力を吸収されて1段(レベル1)に戻されてしまうのである。

 強力な敵と戦って敗れるシーンからスタートする作品といえば、『ファイナルファンタジー2』(1988年スクウェア)の黒騎士戦も有名だが、黒騎士は終盤にザコとして登場する敵だ。『新桃太郎伝説』のダイダ王子は正真正銘のボスキャラであり、ストーリーにもかなり深く絡んでくるのである。

 いまでこそ珍しくはないが、当時は衝撃的なオープニングバトルだった。

 前作のボスよりも、さらに強い敵があらわれたことを演出する『新桃太郎伝説』の冒険の始まり。ストーリーを盛り上げるだけでなく、強かった桃太郎が最弱の状態からスタートすることの理由付けになっているという意味でも秀逸なオープニングといえるだろう。

■現実と夢を超えた謎めいた魔王『ドラゴンクエストVI 幻の大地』

 同じくいきなりボス戦からドラマチックにスタートするRPGとして有名なのが、スーパーファミコンの『ドラゴンクエストVI 幻の大地』(1995年、エニックス)だ。同作は、『ドラゴンクエスト』シリーズの第6作目として発売された作品で、現実世界と幻の大地という異なる世界を行き来しながら冒険を進めていき、2つの世界や主人公自身の謎を解き明かしていくという壮大な構造を持つRPGとなっている。

 ゲームがスタートすると、主人公は仲間たちとともに魔王ムドーの棲む城へ向かうシーンから物語が始まる。「どういうこと?」と困惑したプレイヤーも多かったと思うが、そもそもこの時の主人公の仲間たちの正体からして謎だらけなのだ。

 不気味な城の中を進んでいくと、魔王ムドーが姿を現し、主人公たちは戦いを挑む。どのようなバトルになるのかと思いきや、魔王の不思議な力によって主人公たちの動きは封じられ、画面は暗転。気づけば主人公は、ライフコッドという田舎の村で目覚めることになるのだ。

 ムドーとの戦いのことなど村人は何も知らない。そう、ここからが物語のスタートとなるのだ。あの魔王ムドーとの戦いはいったい何だったのか。そして自分自身の正体も確かめるために、主人公は旅立つことになる。

 プレイヤーとしても気になることだらけで、その謎の答えを知りたくなる絶妙なツカミとなるオープニングといっていいだろう。

 旅の中で徐々に自分たちの正体や、住んでいる世界についての謎が明らかになっていき、やがてオープニングに登場したムドーの城に乗り込む場面を迎えるのである。

 この時、オープニングのシーンが再現され、幻想を打ち破るシーンからムドーとの決戦に至るまで、鳥肌ものの名場面だ。

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