■作中屈指のクセつよカメラオタク!中島淳一の大一番
『ろくでなしBLUES』には個性的な人物が数多く登場するが、中でも中島淳一は異彩を放っている。2コマを使って長髪を振り乱す姿、プロ級のカメラの腕前、ヤンキーに囲まれながらも自我を貫く意外とタフな精神……どこを取ってもキャラが濃く、作品に欠かせない存在の1人だ。
そんな中島が奮闘したのは、体育の授業での1コマである。運動神経が壊滅的な中島は今日も授業をずる休み。しかし、それを体育教師の具志堅に見抜かれ、連れ戻されてしまった。授業内容は4人一組のバスケ対決で、中島は太尊・小兵二・小見山と組むことになる。
ゲームが始まると、罰ゲームのウサギ飛び回避のために何としても勝ちたい太尊が必死に動き、何とか1点を先取。対して中島は、軽く投げられたボールすら取れないどころか、顔面や頭などあらゆる場所にヒットし、「痛い!」を連発する始末だ。
さすがに周囲も不憫に思い始めたその時、中島が目覚める。鼻血を出しながら「今までずっとバカにされてきて…ここで倒れたらまた笑い者じゃないか。ぼくは実は男なんだという事を見せてやる」と立ち上がった。
バスケでここまで傷だらけになるのかというツッコミはさておき、彼の気合には太尊も大感動。残り1点のため、ボールを託した。
中島は怯えながらも周囲の応援を受けて奮い立つ。すると、女子の応援に嫉妬した小兵二がなぜかタックルで突っ込み、盛大にすっころんでしまう。その瞬間に放たれたボールが宙を舞い、奇跡のシュートを決めるのだった。
ヤンキー漫画ではオタクキャラがいじめられることもあるが、本作ではイジられたり脅されたりはするものの、中島を本気でいじめるような描写はない。むしろ太尊の試合で中島がカメラマンをしていたりと受け入れられているシーンが多い。どのような人物であっても誰1人取りこぼさないのも、本作の魅力といえるだろう。
弟の願いを背負ってバットを振った小兵二、勝利のために拳を振るった大橋と武藤、傷つきながらも苦手分野に挑んだ中島。彼らの奮闘はどこまでも一生懸命で、だからこそ読者の胸を打つ。こうしたエピソードの積み重ねが、『ろくでなしBLUES』という物語の熱量をさらに高めているのだ。


