高橋陽一『キャプテン翼』が少年誌の枠を超えた瞬間 80年代に異例の「女子人気」…熱狂的ファンを生んだ理由とは【昭和オタクは燃え尽きない】の画像
「キャプテン翼 Blu-ray BOX ~中学生編 上巻~」(ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント) (C)高橋陽一/集英社・2018キャプテン翼製作委員会

 今からちょうど45年前……1981年3月31日発売の『週刊少年ジャンプ』で高橋陽一氏の描く『キャプテン翼』の連載がスタートしました。

 野球の人気が圧倒的だった昭和時代に、サッカーブームの火つけ役となったサッカー漫画の金字塔。元日本代表の中田英寿さんをはじめ、アルゼンチン代表のメッシ選手、ブラジル代表のネイマール選手といった世界が誇る多くのプレイヤーたちも『キャプテン翼』の大ファンであることを公言しています。

 『少年ジャンプ』を読んでいた少年たちが大空翼や日向小次郎たちのスーパープレーに夢中になった一方、本作は当時の『ジャンプ』のメインターゲット層ではない10代~20代の若い女性たちもとりこにしました。

 特に1985年から87年頃、“異例”の女性人気を誇った『キャプテン翼』。その渦中にちょうど居合わせた筆者が、当時の熱狂ぶりを振り返りたいと思います。

■昭和に始まったサッカー漫画が多くの女性ファンを魅了!

 今でこそ、女性が少年誌を読むのも当たり前になりましたが、昭和後期の1970年から80年代あたりを振り返ると、漫画誌は「少年向け」「少女向け」が明確に区分けされ、少年誌を読んでいる女子は「変わってるね」と言われるような時代でした。

 とはいえ、当時の自分もそうでしたが、車田正美氏の『リングにかけろ』(1977年から連載)や、みやたけし氏の『GO☆シュート』(1979年から連載)のような美形のお兄さんたちが登場するスポーツ漫画に夢中になっていた女子も多少はいました。

 しかし、そんな時代に始まった『キャプテン翼』の主人公は小学生で、かわいい絵柄だったこともあって、個人的には当初ノーマーク。それなのに1984年・春、私のオタク人生に新たな出会いが訪れます。新クラスメイトから熱烈な布教を受けて、瞬くうちに『キャプテン翼』の沼にハマってしまったのです。

 この頃『ジャンプ』の連載では、主な登場人物は中学3年へと進級しており、幼く見えたキャラクターたちも凛々しく成長。東邦学園中等部(東京代表)の日向小次郎が無断で沖縄修行を行い、試合に出してもらえなかったり、満身創痍の大空翼が、松山光率いるふらの中学(北海道代表)と準決で戦ったりと、毎週のように目が離せないドラマチックな展開が続いていました。

 1985年に入ると、翼率いる南葛中学校(静岡代表)と東邦学園による決勝戦に突入。成長した小次郎たちの複雑な家庭事情や、ずっと二番手に甘んじてきた東邦メンバーの思いが描かれ、彼らに感情移入した女性ファンが自分の周りにもたくさんいました。

 この頃から明確に『キャプテン翼』ブームを肌で感じるようになり、その渦中に、実は若い女性ファンがいたのは間違いありません。

 そして、その人気を加速させたのは、1983年から放送が始まったテレビアニメでした。

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