■攻防一体の流れるような技を使う小太刀二刀流『るろうに剣心』四乃森蒼紫

 和月伸宏氏の『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』からは、御庭番衆の御頭「四乃森蒼紫」を紹介したい。彼は小太刀二刀流の使い手で主人公・緋村剣心と同等の実力を持つ、寡黙で長身、端整な顔立ちの人気キャラクターだ。

 当初、蒼紫は武田観柳の用心棒として剣心と対峙する。初戦では一刀の小太刀で善戦するも敗北。その後、蒼紫は小太刀二刀流を会得し、剣心との再戦に臨む。抜刀せずに相対した剣心は本棚を倒して蒼紫の動きを封じようとするも、彼は小太刀二刀流「回転剣舞六連」で本棚を粉砕し、剣心に逆刃刀を抜かせた。

 右突きをかわしながら放った剣心の飛天御剣流「龍巻閃」を左手の小太刀で防ぎ、すかさず小太刀二刀流「陰陽撥止」を繰り出すなど、終始戦いを優位に運んでいた。

 攻防一体の流れるような蒼紫の剣技は、剣心に膝をつかせ、死を覚悟させたほどだ。しかし、最終的には蒼紫は本気を出した剣心の前に紙一重の差で敗れてしまう。とはいえ、作中最強の剣客である剣心に二度も本気を出させた事実は、蒼紫の実力が剣心に匹敵するレベルであることを証明しているといえるだろう。

■抜けない刀で残忍なサディスト!?『ちるらん新組鎮魂歌』斉藤一

 幕末の動乱を新撰組側から描いた『ちるらん 新撰組鎮魂歌』(原作:梅村真也氏、作画:橋本エイジ氏)では、新撰組三番隊組長「斉藤一」が二刀流の使い手として登場する。

 斉藤が用いるのは、一度刺されば抜くことが困難な“返し”のついたギザギザ刃の刀。性格はサディスティックで、相手の血を見ることに喜びを感じる危険な男として描かれている。

 作中で斉藤は“幕末の四大人斬り”といわれる剣豪たちと互角の戦いを繰り広げる。その1人、薩摩藩士で示現流の使い手でもある田中新兵衛との戦いでは、田中の右腕一本から放たれた剛剣を二刀流で防ぐも、体勢を崩されるほどの威力に圧倒された。

 田中もまた二刀流を扱い、今度は回転二連撃で襲いかかる。だが、斉藤は田中の左手に柄頭を合わせて攻撃の軌道を変えてしのぎ切り、その一瞬の隙を突いて、田中の左太ももに脇差を突き刺している。その冷静さと反射神経は土方歳三も驚愕するほどであり、敵である田中もその実力を認めていた。

 また、斉藤が対峙したもう一人の強敵が、“羅刹”の異名を持つ河上彦斎だ。多くの新撰組隊士を暗殺したほどの猛者であり、常に手枷をつけた状態ながら、常人離れした身体能力を誇る。

 斉藤は予測不能な動きをする河上に翻弄され、左手の脇差を奪われてしまう。そして河上が斎藤に刀を突き刺そうとした瞬間、なんと斉藤は仲間の死体を盾にして一撃を防ぐ。この行動に一瞬動きが止まった河上の隙を見逃さず、斉藤は肩口に突きを入れて重傷を負わせた。

 いかなる窮地においても常に冷静沈着で、瞬時の判断力と洞察力に優れている斉藤は、まさに最強クラスの達人といえるだろう。

 

 今回紹介したキャラクターたちは、いずれも二本の刀を自在に操り、読者に強烈なインパクトを与えた。

 特に『ちるらん 新撰組鎮魂歌』は実写ドラマが予定されており、映像化された斉藤一の二刀流がどのように表現されるのかも注目される点である。二刀流という戦闘スタイルが、今後もバトル漫画の世界でどのように描かれていくのか楽しみだ。

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