真壁くんとの恋の行方はどうなった?「りぼん黄金期」を彩った『ときめきトゥナイト』の最終回&現在地の画像
『ときめきトゥナイト』 DVD-BOX(東宝)©池野恋/集英社・東宝

 少女漫画誌『りぼん』の黄金期を語るうえで、絶対に外せない作品がある。それが池野恋氏による『ときめきトゥナイト』だ。本作は1982年〜1994年にかけて連載され、「りぼん黄金期」を牽引してきた伝説的人気作だ。

 1994年に一度連載は終了したものの、2021年からは新シリーズ『ときめきトゥナイト それから』がスタートし、再び、江藤蘭世を主人公に迎えた物語が展開中である。

 今回は、当時の少女たちの心を鷲掴みにした第1部(蘭世編)がどのような結末を迎えたのかを振り返りたい。そして大人になった彼女たちが今どうしているのか、その現在地を見ていこう。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

 

■世界を救ったのは力ではなく「無償の愛」! 真壁くんらしい無口なプロポーズで終焉

 『ときめきトゥナイト』第1部の主人公は、吸血鬼の父と狼女の母を持つ魔界人の少女・江藤蘭世である。人間の同級生・真壁俊に恋をするドタバタラブコメディとして始まり、やがて魔界の存亡を懸けた壮大なファンタジーへと発展していく物語だ。

 クライマックスが描かれるコミックス第15巻には、世界を支配しようと企む冥王ゾーン(ノーゼ)との壮絶な戦いが展開される。その戦いのなかで俊とアロン=ルーク=ウォーレンサーの父である魔界の大王が命を落とし、俊たちは怒りに震える。しかし、“憎しみや怒りの心では火に油を注ぐだけ”と悟った蘭世は、自らの命を懸けてゾーンを無償の愛で包み込み、世界に平和を取り戻すのである。

 その後、アロンが魔界の王となり、婚約者フィラとの結婚式を挙げる。式が終わり、うっとりとする蘭世に対し、俊は「いつか……」と告げてキスをし、俊の腕に抱かれた蘭世は「はい……」と答え、涙を流すのであった。

 かつて恋に一喜一憂していたドジな少女・蘭世が、世界を救うほどの大きな愛を持つヒロインへと成長した姿には胸が熱くなる。そして、俊の「いつか」は「いずれ結婚しよう」というプロポーズであり、蘭世がそれを受け入れたことで、物語は最高のハッピーエンドを迎えたのである。

 最終ページには蘭世の恋のライバル・神谷曜子も登場し、ドタバタの登校シーンでの「たのしくなりそう♡♡」というセリフで締めくくられている。もともとラブコメからスタートした本作らしい、ほっこりする第1部の終焉となった。

■脇役たちのその後も必見! 読者を沸かせた番外編と神谷曜子のMVP級の活躍

 こうして第1部は全15巻で完結するが、続く第16巻には読者を大いに沸かせた珠玉の「番外編」が収録されている。なかでも強烈なインパクトを残したのが、蘭世の永遠のライバルである神谷曜子が主役となった「パニック! 江藤組対神谷組」だ。

 曜子は物語を引っ掻き回す恋のライバルとして、そして時には「レナニヌイ!」の呪文で犬(ヨーコ犬)に変えられてしまうギャグ要員として、シリーズで大活躍を見せてきた。

 この番外編では、曜子が風間組の跡取りである風間力から猛烈なアプローチを受け、とんとん拍子に結婚するという驚きの展開が描かれる。

 曜子はこれまで俊だけでなく、魔界人の血縁者であるダーク=カルロにも恋をしてきたが、彼らが選んだのはいずれも蘭世であった。そのため、この番外編でやっと曜子を幸せにしてくれる力の登場に、胸をなでおろしたファンもいたことだろう。

 しかし、この番外編には意外な結末が用意されている。いよいよ2人の初夜……という場面で曜子が犬に変身してしまい、犬が苦手な力にあっけなく逃げられてしまうのだ。

 せっかく俊以外の男性と結ばれるかと思ったのに、離婚というオチまで用意されたこの番外編。最後まで読者の期待を裏切らない展開はさすがである。

 ちなみに、曜子と力はその後何だかんだで再婚し、2人の子どもに恵まれている。

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