■ファンブックに小さく書かれた設定をアニオリで描写

 そんな伊黒だが、彼も柱合会議以降ほとんど登場することがなく謎の多い人物だった。公式ファンブックでは風柱・不死川実弥とお互いに気が合うことが明かされていたが、本編ではそれらしい描写は存在しなかった。

 その矢先「柱稽古編」第1話「鬼舞辻無惨を倒すために」では冒頭から2人が鬼が潜伏する城へと潜入し、共闘するという激アツシーンが描かれた。互いに軽口を叩きながら任務を遂行する様子は、ぶっきらぼうな言葉使いながらも仲の良さがうかがえる。ふだん任務に忙しい彼らだが、それぞれの関係性がかいま見えるシーンに、人間らしさが感じられてほっこりさせられる。

 「柱稽古編」の第4話「笑顔になれる」では、原作漫画で描かれた約2ページ分の内容がまるまる1話を使って描かれたアニオリ満載のエピソードだった。

 その内容は、炭治郎のアイデアで霞柱の時透無一郎と一般隊士たちで紙飛行機の飛ばしあい競争をするというもの。これまで感情の起伏が少なかった時透が、「刀鍛冶の里編」での炭治郎との交流や戦闘を通して、年相応の少年らしい感情や表情を見せるようになったことがしっかりと描かれ、ひそかに感動した人も多いのではないだろうか。

 無一郎の紙飛行機については、公式ファンブックの人物録の欄に小さく「趣味:紙切り、折り紙(死ぬほど飛ぶ紙飛行機が作れる)」と描かれていた程度。この設定が広げられ、隊士たちとの交流につなげて演出されたのだ。

 これらのアニメオリジナルの描写を通して見ると、セリフのないところの人間関係や、各々の大事にしている信念がさらに色濃く感じられる。今後の「無限城編」では、テレビアニメで描写されたオリジナルシーンで立てたフラグがどのように生きてくるのか、ますます楽しみでならない。

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