「缶ビールの魔術」に「スケキヨ状態のEVA」『エヴァンゲリオン』30周年に振り返るテレビアニメで描かれた貴重な「コメディ回」の画像
『エヴァンゲリオン』公式Xより(C)Khara

 1995年10月よりテレビ放送が開始された庵野秀明監督によるアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』は30周年を迎え、過去の劇場版シリーズがリバイバル上映されるなど、大きな盛り上がりを見せている。

 2026年2月21日から23日にかけて、30周年記念フェス「EVANGELION:30+;30th ANNIVERSARY OFEVANGELION」が行われ、『エヴァンゲリオン放送30周年記念特別興行』というタイトルの新作短編アニメが公開。また、シリーズ構成・脚本にヨコオタロウ氏を起用した『エヴァンゲリオン』完全新作シリーズの制作が発表されたこともファンの間で話題を集めた。

 1990年代当時、テレビシリーズの人気は社会現象となり、その後のさまざまなジャンルの作品に影響を与えた『エヴァンゲリオン』。今回の30周年企画の数々で、その色あせない魅力を再認識したファンも多いだろう。

 『エヴァンゲリオン』は、第3新東京市に襲来する「使徒」と呼ばれる謎の敵に対抗する、巨大な汎用人型決戦兵器・エヴァンゲリオンのパイロットとなった主人公・碇シンジをはじめとする14歳の少年・少女たちの葛藤を描いた物語である。

 トラウマになるような描写や、心象世界を扱う展開、シリアスなシーンが印象的だが、1995年から放送されたテレビシリーズでは物語の清涼剤となるコミカルなシーンも多数散りばめられていた。

 そこで今回は、テレビシリーズで描かれた貴重なコメディ回をあらためて振り返りたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

■新劇場版でよりクオリティアップ! 「ミサトのビール」

 まずは第二話の「見知らぬ、天井」。この回では、エヴァに乗って初出陣を終えたシンジが、葛城ミサトの家で暮らし始めるエピソードが描かれた。

 ミサトの家に居候することになったシンジが風呂に入ろうとドアを開けると、そこにはもう一人の同居人である温泉ペンギンのペンペンがいた。

 驚いたシンジは衣服を何も身につけないままミサトのいるリビングに戻ってミサトに事情を尋ねるが、偶然にもシンジの下半身はテーブルの上の缶ビールでうまいこと隠されていた。

 ミサトがビールを手に取ったため、いよいよ本当にピンチと思いきや、そこにはおあつらえ向きに爪楊枝のケースがあり、シンジの体がお茶の間に披露されることなく済んだ。

 新劇場版でもこの流れは継承されており、見えそうで見えない斬新な隠し方に、館内で笑いをこらえたファンも多かったのではないだろうか。

 なお、新劇場版『破』では、アスカもシンジ同様にお風呂場のペンペンに驚き、同様の姿でリビングに戻るシーンがある。アスカの体もまた缶ビールで隠され、ミサトがビールを手にした後は胸がストローでギリギリ隠されるという遊び心のある演出だった。

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