■魔法を返上することで示した「自立への強い覚悟」
全38話の幕を閉じる『マジカルエミ』の最終話「さよなら夢色マジシャン」は、魔法少女史に残るほど衝撃的かつ感動的なものでした。シリーズ前2作のように「期限がきたら魔法が消える」というタイムリミットではなく、舞は自らの意思で「魔法を返上する」という大きな選択をします。
なぜなら舞は、魔法(マジカルエミ)に頼って得る歓声よりも、不器用な自分の力でマジックを成功させる喜びの方が「何倍も楽しい」と気づいてしまったから……。自らの足で歩き出すため、それまで得てきた成功と称賛の日々を捨てました。
「脱・魔法少女」ともいえるこの結末は、舞という少女の自立に対する覚悟を象徴しており、多くの視聴者に大きな感動をもたらしました。
また、花形スターのエミが消えたことは、周囲にも大きな影響を及ぼします。特にエミを見出したテレビ局のプロデューサー・小金井さんの落胆ぶりは、見ていて胸が締めつけられるほどでした。
彼にとってエミの存在は単なるビジネス相手という垣根を超え、才能に心底惚れこんでいたことが痛いほど伝わってくる切ない名シーンです。
■安定感あふれるキャスト陣とファンを魅了した楽曲の数々
そして香月舞(エミ)の声を担当したのは、新人アイドル歌手の小幡洋子さんです。『マミ』の太田貴子さんの時と同様に、彼女のデビュー曲である『不思議色ハピネス』もアニメ主題歌に起用されました。
どこか愁いを含んだ舞の演技は素晴らしく、歌唱力も抜群。これが初声優とは思えないほど彼女の表現は高い評価を得ました。
さらに彼女の脇を固めるキャスト陣も盤石。舞が憧れているいとこ・結城将役を「ぴえろ魔法少女シリーズ」ではおなじみの水島裕さんが担当。これまでのシリーズでマスコット役に定評のある三田ゆう子さんが、舞の4歳の弟・香月岬役を演じました。
これまでの魔法少女ものでおなじみの「魔法を使って幸せになる」という定番の展開で終わらず、主人公の葛藤と成長による自立まで描ききった『マジカルエミ』。その物語は、すべての努力が報われるという「大団円」では終わりませんでした。
いとこの将は、ずっと打ち込んできたボクシングでライバルに勝つことができず、舞は最終回に至っても簡単なマジックに失敗します。ですが、魔法に頼らないという選択が描き出したリアリティは、当時の視聴者に大きな感動をもたらしました。
4月5日から始まる「魔法少女シリーズ」最新作『魔法の姉妹ルルットリリィ』では、どのようなドラマが待っているのでしょうか。


