■ウェダ愛が濃いベルにポクテや満田、名キャラもたくさん

 『ハレグゥ』は基本的にはゆるい絵柄とギャグがメインであるが、最も印象的なキャラクターは最後まで謎の存在のままだったヒロインの「グゥ」だろう。普段は無表情で無愛想、発言もなかなかにシニカルだが、その腕はウニョウニョと動いたり、ときに美少女化したりととにかく不思議なキャラだった。

 常識はずれで何でもありな存在で、たびたび人間とは思えない奇怪な行動をとったり、魔法や超能力を使うだけでなく、体内には広大な四次元空間が広がっており、実際にその中で数人の人間が生活している。

 こんなに気になる存在なのに、結局最後まで彼女の正体が明かされることはなかった。

 気になる存在といえば、作中には食物にもなるポクテや満田などといった謎の生物も登場する。当たり前のように漫画のコマの至る所に登場する彼らだが、そのなんともいえない存在感も気になってしかたない。このほか、ハレの友人たちも、周りを取り巻く大人も、みなどこかカオスで個性がぶつかり合っている。

 特にウェダの家の使用人で過剰なウェダ愛を爆発させるメイドのベル、白髪頭の男性に異常に固執するアフロ頭のお婆さんのダマ、ゴキブリが人間化したアレ兄妹など、毎回登場するわけではないキャラも強烈なインパクトを放っている。

 『ハレグゥ』の持つ魅力はキャラクターだけではない。少年誌といえど重い過去を持つキャラもおり、作風に反してストーリー設定はシリアスなものもあった。

 例えばハレの母親は都会の大きな屋敷のお嬢様であったが、当時彼女の主治医として出入りしていたクライヴとの間に14歳で子ども(ハレ)を身籠り、勘当されてジャングル生活を送っている。

 明るさの裏にときおり見える闇のようなものも、『ハレグゥ』がここまで人を惹きつけた要因だろう。

 ちなみに、同作が第3回エニックス21世紀マンガ大賞準大賞を受賞したのは金田一氏が高校在学中の16歳の頃。かなり早い段階でのデビューだが、その後に手がける『ニコイチ』『ゆうべはお楽しみでしたね』『ライアー×ライアー』など、その作風の幅の広さに驚いた当時のハレグゥ読者は多いのではないだろうか。

 連載から30年経っても、いまだに多くの人の心に大きなインパクトを残している『ハレグゥ』。有名作品がリメイクされることも多い昨今、周年を記念した新たな動きに期待してしまう。

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