一歩と久美はどうなった? 千堂や鷹村にも進展が…『はじめの一歩』一歩が引退してからの「恋愛事情」に迫るの画像
少年マガジンKC『はじめの一歩』第78巻(講談社)

 森川ジョージ氏による大作ボクシング漫画『はじめの一歩』といえば、熱いボクシングの試合が印象的だが、男女の恋愛模様も見逃せないポイントだ。主人公・幕之内一歩とヒロインの間柴久美のくっつきそうでくっつかない関係に、やきもきさせられた経験のある読者もいるのではないだろうか。

 一歩の現役引退という大事件を経た今、キャラクターたちの立場や想いにもさまざまな変化が出てきている。はたして、彼らの現在の恋愛模様はどうなっているのだろうか。

 今回は、一歩の引退後に焦点を当てて、『はじめの一歩』に登場する男女キャラクターの恋愛劇の様子を覗いてみよう。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■関係は進展するも、間柴の世界戦をきっかけに暗雲が…幕之内一歩と間柴久美

 やはり気になるのは、我らが主人公・一歩とヒロイン・久美の関係がどうなっているかだろう。お互いに想いを寄せながらも奥手な性格が災いし続け、正式な告白すらしていない。これがボクシングならとっくに判定負けだろうが、そんなじれったい2人だからこそ「幸せになってほしい」と願う読者は少なくないはずだ。

 一歩が引退してからは、久美が一歩の体を心配する描写が増えている。もともと殴り合うボクシングにあまり好印象を持っていなかった久美なのだから、一歩がパンチドランカーの疑いで引退したとなれば無理もないだろう。

 そのため、一歩をボクシングに引き戻そうとする人たちには厳しく接し、時には兄・間柴了を彷彿とさせる凶悪な(!?)顔を見せることも……。いつもの可憐でおしとやかな久美の姿からは想像もできないが、それも一歩を想うがゆえの反応なのである。

 男女の関係としては地道ながらも着実にステップアップを続けており、第1419話ではついに間柴宅で一歩と久美が2人きりになるシーンが描かれた。夜空の花火を見上げながら、もどかしい関係に終止符を打つべく唇を近づける2人だったが、あともう一歩のところで間柴が帰宅……。またもや告白は先送りとなってしまったが、それでも関係が大きく前進したのは喜ばしいことだろう。

 だが、間柴が世界戦で意識不明の重体に陥ってから、2人の関係に暗雲が立ち込めてきている。最愛の兄を傷つけたボクシングを久美が拒絶するようになり、今もなおボクシングにかかわり続ける一歩との間に溝が生まれ始めたのだ。この先、一歩がボクシングを取るか久美を取るか、一波乱あるのかもしれない。

■中学時代の生徒と担任が大人になって…千堂武士と先生

 次は、一歩と名勝負を繰り広げてきたライバル・千堂武士と、彼が中学時代にお世話になった担任の女性教師の関係について触れておこう。(この女性教師は本名が明かされていないので、以下「先生」と書く)

 第84巻に収録されている読み切り『はじめの一歩外伝 浪速の虎』では、中学3年生の千堂と先生の交流が描かれている。

 乱暴者な自分と真摯に向き合ってくれる先生に対し、言葉にならない感情を抱く少年時代の千堂。そして、乱暴だがまっすぐな千堂に年齢も立場を超えて惹かれる先生。2人の気持ちが交差する、切ない名エピソードとして知られている。

 そんな2人は、第1128話で再会を果たす。先生は教師を辞めており、結婚相手からのDVにより離婚も経験していた。その後も元夫から被害を受けていると知った千堂は、「メキシコに行く間自分のばあちゃんを守ってほしい」と口実をつけて、先生を自宅で保護しようとするのだ。

 大人になっても変わらない千堂のまっすぐな優しさに、先生が「武士くんは本当に変わっていない……」と、声を震わせながらつぶやくシーンがとても印象深い。

 その後も、千堂と先生が一緒にいる場面は増えていく。千堂が世界戦を間近に控えた時期には、祖母から「曾孫の顔が見たい」とせがまれる一幕もあった。千堂は祖母にツッコミを入れようとしたが、一方の先生は意味深に頬を赤らめている。

 はたして2人が恋人関係になる日は訪れるのか。今最も目が離せないカップルだ。

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