■剣の呪いにかかったマリータ
続いて『ファイアーエムブレム トラキア776』(1999年)からマリータを振り返りたい。
彼女は剣士として登場する美少女で、奴隷商人によってさらわれてしまったところを、女剣士エーヴェルによって救出され育てられてきた過去を持つ、これまた不幸な境遇のキャラクターである。
エーヴェルは、最初から上級職の「ソードマスター」として登場し、序盤は比肩する敵がいないほどの強さを誇り、本作の主人公・リーフを序盤から助けてくれる。
パラメータは高いが成長率は低いという、シリーズによく登場する序盤のお助けキャラ的な存在だ。
マリータは序盤にグランベル帝国のレイドリックによって連れ去られ、暗黒の剣を与えられて洗脳させられ、闘技場でエーヴェルと対決をさせられてしまうのだ。
当然のことながらエーヴェルはマリータに手を出すことはできず、マリータから攻撃を仕掛けられてもいっさい反撃しない。この演出は、2人の絆の強さが伝わるエピソードでもあるが、同時に残酷な仕打ちであるとも思わされるものだった。
マリータはその後司祭サイアスによって剣の呪いを解かれたため、洗脳も解かれ、その後仲間になる。だが、仲間になるマップでは、暗闇の中、たった1人で盗賊に囲まれた状態からスタートするのだ。
「洗脳されて苦しい思いをしたのに、まだひどい仕打ちを」とも思うのだが、ここではマリータは攻撃を受けることすらなく、ほとんどの敵を全滅してしまうほど、驚異的な強さを発揮するのだから驚きだ。
本作では、剣を装備した相手には斧の攻撃が当たりにくく、槍の攻撃が当たりやすいという、いわゆる「3すくみ」のシステムを採用している。
このマップでは剣士のマリータを囲んでいるのは斧を持った敵ばかりのため、攻撃をかわしまくるというのがそのカラクリなのだが、美少女キャラでしかも強いということで、プレイヤーに与えた印象は鮮烈だったことだろう。


