■どれだけ極悪非道でも「かわいいは正義」!?

 劇中でとんでもない極悪非道な暴挙に及びながら、意外にもファンが多いキャラクターが、『機動戦士ガンダム00』に登場したネーナ・トリニティだ。

 刹那・F・セイエイらソレスタルビーイングのガンダムマイスターたちの窮地に、突如現れたトリニティ3兄弟。彼らは、これまでプトレマイオスチームがおこなってきた、紛争に対するけん制的な武力介入とは異なり、民間人をも巻き込む過激な武力介入で世界にさらなる混乱をもたらした。

 その中で起こったネーナを象徴する悪行といえば、民間人の結婚式会場を“憂さ晴らし”で襲撃したシーンだろう。この攻撃により偶然居合わせたルイス・ハレヴィの親類は皆殺しにされ、ルイス自身もGN粒子の毒性によって片手を失い、その後の彼女の人生を大きく歪めてしまった。

 それほど極悪なネーナが、なぜ一定のファン層から支持され続けているのか? その最大の理由は「かわいいは正義」という言葉に尽きる。

 そばかすがチャーミングなネーナの愛らしい容姿は初登場時から人気を集めた。さらに初対面の刹那に突然のキスを迫る奔放さや、プトレマイオスにて密かにヴェーダへのアクセスをおこなうミステリアスさなど、多彩な魅力で視聴者を惹きつけた。

 暗く生々しい戦争描写が多い『00』の世界観において、ネーナはひときわ異彩を放つキャラクター性を持った存在といえるかもしれない。

 ネーナがおこなった非道な行為は支持できないが、小悪魔的な雰囲気で周囲をかき乱す彼女のことを、どこか憎めなかった人も少なからずいたのだろう。そして最終的にネーナは自身がひどいことをしたルイスにきっちり復讐され、後味の悪さを残さずに退場した点も悪役としては理想的だったといえそうだ。


 時に主人公サイドに勝るとも劣らない人気を得ている『ガンダム』シリーズの悪人キャラたち。彼らが見せた非道なおこないは支持できなくても、キャラクターとしての魅力に惹かれることもある。『ガンダム』好きの皆さんは、各作品の悪役の中で憎からず思っているキャラクターはいるだろうか。

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