「子どものころに好きだったテレビドラマ」と聞いて、筆者のようなアラフィフ世代ならば『スケバン刑事』を思い浮かべる人もいるかもしれない。1975年に『花とゆめ』(白泉社)で連載が始まった和田慎二さんによる原作漫画は、連載開始50周年を迎えた今もなお、多くのファンに愛されている。
テレビドラマ版は1985年4月から3シリーズが放送され、主人公のスケバン刑事・麻宮サキ役は、初代・斉藤由貴さん、2代目・南野陽子さん、3代目・浅香唯さんがそれぞれ務めた。
どのシリーズも面白いが、当時小学生の高学年だった筆者にとっては、1986年10月から放送された『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』が一番印象深い作品だ。
本作は、風魔忍者の末裔である三姉妹が邪悪な忍者集団「陰」の野望を打ち砕き、日本の平和を守るというストーリーである。この「忍者」という設定が、前二作とは大きく異なる特徴だった。
もちろん、風間三姉妹の魅力に当時の少年たちの心はときめき、学校のクラスでは男女を問わず「誰が1番好きか」という話題で大いに盛り上がったものだ。
そこで今回は、『スケバン刑事III』において、多くの視聴者を魅了した「風間三姉妹」の活躍を振り返ってみよう。
※本記事には作品の内容を含みます。
■三女・風間唯:ドジな一面からどんどん成長していく…歴代麻宮サキのヨーヨーを継承!
まずは、浅香唯さんが演じた主人公の三女・風間唯である。前二作のロングヘアの主人公から一転、ショートカット姿が新鮮で、その愛らしさが際立っていた。
宮崎県にある寺で育った唯は、明るく活発な高校生。男子生徒からの喧嘩を買ってやっつけたり、育ての親である和尚を「クソ坊主」と呼ぶなど、とにかく天真爛漫で健康的な魅力に満ちたキャラクターである。
歴代の麻宮サキと同様、桜の代紋が付いたヨーヨーを継承し、これを武器に敵を打ちのめしていく姿がなんとも爽快だった。
とはいえ、唯は当初からヨーヨーの扱いがうまかったわけではない。初めてヨーヨーを手にしたのが、第1話。東京へ向かう寝台列車の中であり、「な~んじゃろか?」と口にし、それが武器であることすら認識していなかった様子だった。
第3話では不良グループに“捜査”と言って因縁をつけるも、腕っぷしの強さと俊敏さとは裏腹に、肝心のヨーヨーは空振り。逆に返り討ちに遭ってしまう。
だが、暗闇機関との激しい修行を経て、当初の未熟さを克服。ついにはヨーヨーで敵を一網打尽にするほどの実力者へと成長を遂げるのだ。
唯のカッコいいシーンといえば、やはり左腕にはめた赤い手甲にヨーヨーを当てて構えるポーズだろう。甲高い金属音が鳴り、可愛くも凛々しい表情でヨーヨーを投げる姿はとても頼もしく、その後の展開にワクワクしたものである。このポーズは当時、筆者のクラスでもみんな真似して遊んでいたことを思い出す。
また、唯といえばその天真爛漫な性格も人気の理由だった。「鉄仮面」を名乗るなど、少々シリアスなムードがあった前作とは対照的に、誰にも物怖じしない唯の真っ直ぐな性格は物語を明るく照らし、多くの視聴者に元気を与えてくれた。
■長女・風間結花:清楚さと凛々しさを併せ持つ…折り鶴で敵を退ける高い戦闘力
長女・風間結花を演じたのは、大西結花さんだ。トレードマークのポニーテールが抜群に似合っており、一見して清楚でおしとやかな印象だが、実は好戦的な一面も持つ。戦闘になったときの凛々しい表情とのギャップが、彼女の大きな魅力だった。
結花の武器は、ステンレス製の折り鶴だ。セーラー服の襟元から取り出し、人指し指と中指で挟んで羽を広げ、投げつける。この一連の流れがスムーズで非常にカッコよく、左右両方の手から、もしくは同時に投げることも可能だった。
まさに忍者の手裏剣さながらで、その威力も強力である。前作に登場した“ビー玉のお京”が使うビー玉よりも、飛距離はありそうだった。
「一体、襟に何枚の折り鶴を収納しているんだ!?」とツッコミたくなるのを忘れるほど、結花の戦闘スタイルは美しく、洗練されていた。
また結花は、遠距離攻撃だけでなく近接戦闘も得意だ。鶴を使った攻撃(鶴拳)もさることながら、第1話では木刀を持った男子生徒たちを相手に、蹴りや投げ技で圧倒するほど強かった。
真面目な性格であり、妹である唯と由真の喧嘩をたしなめるなど、長女としての強い責任感と厳しさを持ち合わせている。その一方、大風呂敷を背負い「風間唯」と書かれたのぼり旗を持って東京駅に現れた唯を見て、「サイッテー」と吐き捨てるなど辛辣でコミカルな一面もあった。
ちなみに、筆者のクラスで1番人気だったのは、この結花である。


