『呪術廻戦』狗巻棘に『僕のヒーローアカデミア』死柄木弔、『ジョジョの奇妙な冒険』乙雅三も…バトル漫画に登場する「絶対持ちたくないやっかい能力」の画像
Blu-ray『僕のヒーローアカデミア』FINAL SEASON Vol.2(東宝)(C)堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会

 漫画やアニメの世界に登場する超常的な能力は、読者を夢中にさせる最大の魅力のひとつだ。それらはキャラクターたちの個性や強さの象徴ともいえるが、必ずしもすべての能力が欲しいと思えるものばかりではない。

 なかには、強力であることと引き換えに過酷な制約が課せられ、日常生活にさえ支障をきたす、いわば“呪い”のような能力も存在するのだ。

 そこで今回は、思わず「自分だったらいらない!」と叫びたくなってしまうような、バトル漫画の「やっかいすぎる能力」を紹介していこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます

 

■言葉が呪いとなる呪言師の宿命…『呪術廻戦』狗巻棘

 2018年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載開始された、芥見下々氏の『呪術廻戦』。人間の負の感情から生まれる「呪い」を祓う呪術師たちの激闘を描いた物語であり、ダークな世界観とジャンプ作品ならではの熱いバトル描写が融合し、多くの読者を魅了している。

 本作には個性豊かな呪術師たちが多く登場するが、なかでもかなり独特な能力を持っているのが、東京都立呪術高専の2年生・狗巻棘だ。彼はふだん、口元を服やマフラーなどで隠しているが、それは自身の能力が不用意に発動することを防ぐためである。

 彼が血筋によって受け継いだ術式「呪言」は、自身の発した言葉に呪力を込めることで、それを聞いた相手にさまざまな効果をもたらすことができる。

 たとえば「動くな」と言えば相手を拘束し、「爆ぜろ」と言えば相手は問答無用で弾け飛ぶ。拡声器で効果範囲を広げたり、携帯電話越しにも効果が発動できたりと、応用範囲も広い。

 しかし、この絶大な力の代償は非常に大きい。まず、強力な言葉を使うほど自身の喉に多大な負担がかかり、最悪の場合は吐血し、声が出せなくなってしまう。

 そして最大のデメリットが、この術式が彼の意図にかかわらず、口から発する言葉すべてに適用されてしまう点にある。うっかり他者を呪ってしまわないように、彼はふだんのコミュニケーションを大幅に制限せざるを得ないのだ。

 その結果、狗巻が編み出したのが、日常会話をすべて「おにぎりの具」だけでおこなうという独特な方法だった。肯定は「しゃけ」、否定は「おかか」のように、自身の意思と対応した具材で応対するといった具合だ。仲間内では意思疎通が成立しているとはいえ、生涯にわたり、他者と自由に会話ができない日常は考えただけでも相当なストレスだろう。 

■あらゆるものが崩れ落ちる無慈悲な力…『僕のヒーローアカデミア』死柄木弔

 2014年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載された、堀越耕平氏の『僕のヒーローアカデミア』。世界総人口の約8割が「個性」と呼ばれる特殊能力を持つ世界を舞台に、無個性だった主人公が最高のヒーローを目指す物語だ。王道のストーリーが人気を博し、長期にわたるメディア展開が続いている。

 本作で主人公・緑谷出久の宿敵として立ちはだかる、敵(ヴィラン)連合の首領・死柄木弔は、あまりにも強力すぎる個性のために悲劇的な人生を歩むことになったキャラクターだ。

 彼が生まれ持った個性「崩壊」は、5本の指で触れたあらゆる対象を塵のように粉砕してしまう、極めて破壊的な能力である。対象に制限などはなく、生物・無機物問わず、一度発動すれば対象はなすすべもなく粉々に崩れ落ちていってしまう。

 攻撃力という点においては最強クラスだが、制御が非常に難しく、常に暴発の危険と隣り合わせである。

 そのため死柄木は、日常生活で物に触れる際、意識的に指を数本浮かせるなど、5本の指が同時に触れないように対処していた。

 成長して対処法こそ編み出せた死柄木だが、この個性に目覚めた直後はその強力な破壊効果により、意図せず多くのものを失うこととなった。当時5歳だった彼は、自身の能力を理解できないまま、無意識のうちに愛犬や姉、両親、祖父母といった家族全員をその手で「崩壊」させてしまったのである。

 日常生活を普通に送れない不自由さはもちろん、少しの不注意が取り返しのつかない惨劇を招くこの能力は、持ち主の精神を削り続ける非情極まりない呪いだといえるだろう。

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