■AIに勝つ方法は「人がやる」こと
――YouTubeではゲーム実況もされていますが、ゲームから監督として刺激を受けることはありますか?
品川監督 刺激というか、今のゲームって実写風の映像をモーションキャプチャーで作ったりしていて、実写では絶対にできないカット割りが登場するんですよ。アニメなんかも同様ですが、人物と人物の間にカメラが入ったりして。
ちょっと前に『チェンソーマン』を映画館で観たんですけど、羨ましかったです。CGとかAIとかがこれからもっと進んでくると、絶対に勝てないものも出てくるだろうし、すごいですよね。自分自身、ChatGPTとか面白くて使っていますし。一方で作品作りでは、「人がやる」というのが結局AIに勝てることのような気がしてて。
――といいますと?
品川監督 「AIが発展したら、エンタメは全部AIに取って食われる」みたいなコメントを見たことがあるんですけど、「そうかな?」と思うんです。たしかにAIは優秀だと思います。でも映画も漫画も小説も、たいてい優秀じゃない人が主人公なんですよ。AIという優秀なものが優秀じゃない人物を描くというところに矛盾が出てくる。
それにたとえば『国宝』を全部AIで作りましょうってやって、できたとしても、あれほどの感動ってないと思うんです。やっぱり吉沢亮さんたちが、あれだけ歌舞伎の練習をしたんだというのが、うっすら見えているのがいいんですよね。
失敗することがあったとしても、不完全さこそが人間が勝てるところだと思う。だからアクションシーンなんかでも、粗があってもいい。むしろそっちのほうがリアルだなと思います。
<プロフィール>
品川ヒロシ
1972年4月26日生まれ。お笑いコンビ【品川庄司】のボケ担当。お笑い芸人として第一線で活躍する一方で、2008年には自身の自伝的小説を原作とした『ドロップ』で長編映画監督デビューを果たし、興行収入20億円、観客動員150万人を突破する大ヒットを収める。また、2011年には原作・監督・脚本作品第2弾として『漫才ギャング』が公開し、前作に引き続き各所から高い評価を受ける。主な監督作品には『サンブンノイチ』(14)、『Zアイランド』(15)、「異世界居酒屋『のぶ』」(20/WOWOW)、『半径1メートルの君~上を向いて歩こう~「戦湯~SENTO~」』(21)『OUT』(25)など。また、2021年に舞台「池袋ウエストゲートパーク」の演出を手がけるなど、エンタメ業界での活動の場を広げ続けている。
【作品情報】
『マトリと狂犬』
2026年1月20日(火)より
MBS/TBSドラマイズム枠にて毎週火曜深夜放送中
MBS 24:59~/TBS 25:28〜
【原作】田島隆・マサシ『マトリと狂犬 —路地裏の男達—』(秋田書店 ヤングチャンピオンコミックス)
【監督】品川ヒロシ 松下洋平 脚本:服部 隆 品川ヒロシ 脚本監修:田島隆
【出演】西畑大吾 細田善彦 / 森田想 九条ジョー
木村祐一 少路勇介 山谷花純 山下永玖 平埜生成 趙珉和 / 深水元基 本宮泰風
向井 理
制作プロダクション:THE EINS PADMA 制作協力:吉本興業
製作幹事:エイベックス・ピクチャーズ
製作著作:「マトリと狂犬」製作委員会・MBS
配信:TVer、NETFLIXにてTBS放送後に配信スタート(見逃し配信1週間あり)


