お笑い芸人として活躍する一方、映画『ドロップ』『漫才ギャング』、ドラマ「異世界居酒屋『のぶ』」などを手掛け、監督としての地位を築いている品川ヒロシさん。現在は、新作『マトリと狂犬』(MBS/TBSドラマイズム)が放送中だ。そんな品川監督を作り上げてきたエンタメや10代の娘からの影響、そして「エンタメは全部AIに取って食われる」という声についての想いを聞いた。
【第2回/全2回】
■タランティーノから深作欣二まで。品川監督に影響を与えた名監督
――監督が影響を受けたエンタメ作品を教えてください。
品川監督 映画でいうと、クエンティン・タランティーノとかロバート・ロドリゲス、サム・ライミ、ガイ・リッチーですね。日本だと深作欣二さん、井筒和幸さん、石井克人さん、中島哲也さん。挙げだすとキリがないです。
――中でも、あえてタイトルを挙げるなら。
品川監督 『仁義なき戦い』は数年に一度は観ています。第1作から観ていって、『新・仁義なき戦い。』で萎えるっていうのを毎回繰り返すんですけど(苦笑)。あと、影響されたといえば、昭和の刑事ドラマ『Gメン'75』のカットが大好きです。横一列になって歩くというね。ただ歩いているだけなんですが、いまだに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とかでもやってるし、タランティーノも使うし。
――かっこいいですよね。
品川監督 でもあれって、普通に考えたらおかしいじゃないですか。みんなで戦いに行く前に、横並びでぶわ~っと歩いてくるって。『ストレンジャー・シングス』でもそうだし。でも、やっぱりあれはやりたいんですよね。撮りたくなる。
子どものときから「『Gメン'75』やろう」って遊んでましたし、いまでも映画を撮るときには、「『Gメン'75』カットをやろう」と思っちゃいます。望遠レンズで、坂の向こうから歩いてきて、だんだん姿が見えてくるあの感じは、北野武さんの『その男、凶暴につき』にもありますよね。最初に観たのは『卒業』だったかな。肉眼ではああはならない。あとマカロニ・ウエスタンでよく見る、股の間から対峙している相手を撮るマカロニ・カットとか。ズームひとつにしても、レトロな感じが好きです。
――新しいエンタメのインプットもされていると思いますが、何か意識的にされていますか?
品川監督 15歳の娘がいるので、普段から「おすすめの漫画教えて」「アニメ教えて」とか聞いていますね。ドキュメンタリーなんかも。オーディション番組の『No No Girls』を見ろと言われたので見たら面白くて。でもあれも新しいものっていうけど、結局、スポ根なんですよね。
――そうですね。
品川監督 スポ根ものとして、すごく面白く見ていました。すると、その子たちがデビューしていってもそのまま成長を見たくなるんですよね。あとは20代のマネージャーとも「今年の映画のベストテンを送るから、そっちもベストテン教えて」とお願いして、観ていないものがあったらチェックしたりしています。


