■タバコの煙が漂う大人のドラマ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』

 ふたつ目は、地主さんによるヒューマンドラマ漫画が原作となった『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』。2022年3月からX上で公開されて人気となり、初回エピソードは累計28万件ものいいねを獲得。その反響を受け、2022年より『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)にて商業連載がスタートした。

 物語の主人公である中年サラリーマンの佐々木は、行きつけのスーパーの店員の山田に想いを寄せていた。ある日、仕事終わりにスーパーに向かうも、店員の山田は不在。途方に暮れタバコを吸おうとする彼に「ここならタバコ吸えまっせ~」と声をかけてきた謎の女性・田山と一緒に、店の裏手の喫煙所でタバコを吸うことになる。だが、実はこの田山の正体はスーパーの店員・山田であり、田山は佐々木に内緒で別の顔で接しつつ、やりとりを楽しんでいるのであった。

 大人の男女の不思議な縁をテーマにした心温まる作品で、毎晩のように繰り返される喫煙所での何気ない会話を通じ、疲れた心がほぐれていく様子が丁寧に描かれている。また、喫煙者が肩身の狭い現代において、喫煙所という空間での交流を肯定的に描いている点も高評価され、SNS上では愛煙家から「これ読みながらの一服が美味いんだよ」と好意的に受け入れられている。

 本作は「次にくるマンガ大賞 2022」にてWebマンガ部門で1位に輝く快挙を達成。その後も「マンガ大賞2023」「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」など数多くのランキングにノミネートされるなど、出版業界からも高く評価されている。2026年1月時点で累計発行部数は300万部超えと報じられており、昨今のSNS漫画の勢いを感じる作品である。

 この盛り上がりを受け、2026年7月よりアニメ化が決定。公開されたティザーPVのコメント欄では「めっちゃ社会人に刺さりそう」「ここまで喫煙を出すアニメも今日日珍しい」という声が上がり、主要キャストの演技にも「佐々木さんの声ピッタリすぎる!」と、アニメ化に期待する声が多数見られた。

 派手さはないものの、タバコの煙と夜の街の静かな雰囲気が魅力的な大人のドラマ。アニメでもその心地よい空気感を再現してくれることに期待したい。

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