2026年2月15日より、『スーパー戦隊シリーズ』の後番組として『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』の放送開始が予定されている。そんな今、改めて注目したいのが「警察ヒーロー」という存在だ。日曜朝、テレビの前でヒーローを見つめていた子どもたちにとって、「警察」という肩書きを背負って戦うヒーローは、ひときわカッコいい存在だった。
そこで今回は、もうひとつのニチアサヒーロー番組『仮面ライダー』シリーズに焦点を当て、子どもたちの心を強く掴んできた「警察官仮面ライダー」たちの系譜を振り返っていく。
※本記事には各作品の内容を含みます
■警察官仮面ライダーの原点はここから始まった『仮面ライダーアギト』仮面ライダーG3/氷川誠
「警察官仮面ライダー」を語るうえで、まず外せないのが『仮面ライダーアギト』(2001年〜)に登場した仮面ライダーG3である。まさに、ここから「警察官仮面ライダー」の系譜は始まったといえる。
要潤さんが演じた氷川誠は、警視庁未確認生命体対策班に所属する若き警察官。国家プロジェクトとして開発された「第3世代型強化外骨格および強化外筋システム」、通称「G3システム」を装着し、人智を越えた存在である未確認生命体に立ち向かっていく。
G3は、G3ユニットと呼ばれる実働部隊の一員として行動し、移動基地「Gトレーラー」を拠点にスーツの装着やメンテナンス、戦闘支援を受ける。他の多くのライダーのように特殊な資質を持つ“個人の力”ではなく、あくまで“警察組織の装備”として運用されるというものだった。この描写は当時としては極めて異色であり、その後のシリーズを見渡しても珍しい。
一方で、G3はお世辞にも強いライダーではなかった。本作に登場する2人のライダー、仮面ライダーアギトや仮面ライダーギルスといった超越的な力を持つ存在と比べれば戦闘力は控えめで、苦戦や敗北を重ねる場面も多かった。
第22話「運命の対決」ではギルスに敗れ、戦闘不能に陥る。しかし氷川は、仮面ライダーG3ーXへの強化を経て、警察官として仲間や市民を守るため、前線に立ち続けたのだ。
圧倒的な力ではなく、組織力と科学技術、そして警察官としての覚悟を武器に戦う。その泥臭さこそが、仮面ライダーG3の最大の魅力であり「警察官仮面ライダー」という系譜の確かな出発点だった。
■赤い革ジャンのハードボイルド刑事『仮面ライダーW』仮面ライダーアクセル/照井竜
G3が「組織としての警察官仮面ライダー」を体現した存在とするのであれば、『仮面ライダーW』(2009年〜)に登場した仮面ライダーアクセルは、「個人の覚悟と正義」を前面に押し出した存在である。
木ノ本嶺浩さん演じる照井竜は風都署超常犯罪捜査課に所属する刑事であり、ドーパント事件を追う中で、仮面ライダーアクセルとして戦いに身を投じていく。
注目すべきは、その階級である。照井は「警視」という、「警察官仮面ライダー」の中でも異例の高階級。その立場に加え、真っ赤な革ジャンを着こなすハードボイルドな佇まいも相まって、登場時から強烈な印象を視聴者に刻みつけた。
アクセルのビジュアルもまた印象的だ。真紅のボディにバイクを彷彿とさせるデザイン、重量武器「エンジンブレード」を引きずりながら戦う荒々しいスタイルも、めちゃくちゃカッコよく魅力的だった。
だが、照井を突き動かしていたのは、警察組織の命令だけではない。家族を奪われた過去、犯人への復讐心、そして刑事として法を守ろうとする強い正義感。その相反する感情の間で揺れながらも、それでも前に進もうとする姿こそが、照井というキャラクターの核心だったように思う。
そして、第36話「Rの彼方に/全てを振り切れ」において、照井はついに宿敵を撃破する。その直後、照井は手錠を取り出し、相手を捕らえようとする。自身の憎しみを晴らすことよりも、警察官として職務を全うすることを選んだその瞬間は「警察官仮面ライダー」という存在を象徴する名シーンとして、今なお語り継がれている。


