バトルを描く漫画やアニメでは、“戦う老人キャラ”が圧倒的な存在感を放つことがある。数多くの死線を乗り越え、年老いてなお現役を貫き通す彼らは、時に若さに満ちあふれた強者を軽くあしらうほどの強さを見せる。
身体の衰えに負けず、それどころか豊富な経験を活かして肉体の全盛期とはまた違った“強さ”を見せつける姿は、圧巻のひと言。今回は、そんな老人キャラたちが読者に見せつけた“最強すぎるシーン”をいくつか紹介したい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■まさに「老いてますます健在」ジョセフ・ジョースター
荒木飛呂彦氏の『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)に登場するジョセフ・ジョースターは、長いシリーズの中でも登場回数の多いキャラだ。第2部では主人公、第3部では空条承太郎の祖父、第4部では東方仗助の父親として活躍を見せる。
第3部での年齢は70歳目前にもかかわらずスタンド能力を駆使して戦い、いまだ現役という強さを見せつけている。
ジョセフの強みは能力そのものというより、頭脳を駆使した策略にある。不利な状況をいかに切り抜けるかが見どころの1つで、第2部の頃から相手の動きを先読みして何度も勝利をおさめていた。そして、第3部で「女帝(エンプレス)」と戦った際には、若かりし頃の姿を彷彿とさせる名シーンがある。
ジョセフのスタンド「隠者の紫(ハーミットパープル)」は、探索能力がメインなので攻撃力自体は高くない。そのため、対象に寄生しその命を奪う女帝に取りつかれた時は、あっという間に追い詰められたかに思えた。
しかし、それを巧みな策略でどうにかするのがジョセフだ。逃げ回りながら相手の能力を分析し、側にあるモノを利用して勝利を手繰り寄せる。彼は女帝をコールタールで固めた上、ハーミットパープルを巻きつけて全体重をかけることで引きはがした。
その際、第2部でジョセフの十八番だった“相手の言葉の予言”が見られる。「おまえは『やめてそれだけは』という」と彼が言った後、実際その通りになったときはシビれるほどかっこよかった。
その直前の「老いてますます健在」という名言も相まって、「強くてかっこいい老人」といえばジョセフを思い浮かべる人は多いのではないだろうか。
■ゼノ&ネテロの最強タッグ
冨樫義博氏の『HUNTER×HUNTER』(集英社)で描かれた老人キャラたちの活躍も凄まじい。それが見られるのは、キメラ=アント編でのゼノ=ゾルディックとアイザック=ネテロの参戦シーンだ。
メルエムが頂点に君臨する凶暴な蟻・キメラ=アントは異次元の強さを誇り、太刀打ちできない多くのハンターたちの心が折れそうになっていた。そんな強敵に立ち向かう中、まったく怯まず平常運転だったのが、この2人の老人である。
ゼノは、蟻たちに対するド派手な宣戦布告として、上空から「龍星群(ドラゴンダイヴ)」を放ち、無数の光の龍をメルエムのいる宮殿へと降り注がせた。あまりにも幻想的で神々しいこの光景は、多くの読者の心に強く刻み込まれたことだろう。
王直属護衛軍の1人であるネフェルピトーは、この攻撃をかいくぐって反撃に転じようとする。しかし、そこに立ちはだかったのが、人類最強クラスの強さを誇るネテロだ。
ネテロはピトーを見るなり、念能力「百式観音」を発動。技の完成のためにネテロが積み上げてきた膨大な修練の一端も描かれ、彼が常人には到達できない域に達していることがひしひしと伝わってきた。
予想もしない場所から放たれた巨大な拳の直撃を受けたピトーは、なすすべもなく宮殿から離れた場所まで吹っ飛ばされてしまう。
その攻撃の直前、周囲を気にせず一目散にネテロのところに向かったピトーに対し、ネテロが「そりゃ悪手だろ 蟻んコ」と浮かべた余裕の笑みも印象的。多くのハンターが苦戦を強いられた王直属護衛軍を軽くあしらうその姿からは、年の功や格の違いがにじみ出ていた。


